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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんへ引き継がれ、2021年1月から松枝真理子さんへ引き継がれますが、変わらず毎月(原則)第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、毎月インターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。
合同句集『海へ』刊行 Amazonでお求めいただけます。

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第61回インターネット句会特選句を読む
梅に山茱萸、黄水仙、次々と花が咲き、春の訪れを実感できるようになってきましたね。
さて、2021年2月のパラソル・インターネット句会の特選句5句を吉田哲二さんが鑑賞してくださいました。

オレンジのフレアースカート春立ちぬ 麻美 (特選)
筆者は男性ですので、お恥ずかしい話、どうしても久米仙人のような発想になってしまいます。掲句を一読、マリリン・モンローの映画のシーンを想起しました。フレアースカートがよくわからなかったのですが、調べてみると、なるほどとてもエレガントなスカートなのですね。このオレンジ色(もしくは柄?)のスカートは、きっとこの春のために作者が新調されたものでしょう。早春のすこし強い風になびく鮮やかなスカートの様子が眼前しました。春を迎えた喜びがよくあらわれていると思います。

フリスビー大きく曲がり春隣 あき子 (特選)
寒中ですが、好天に恵まれたのでしょう。コロナ禍にもかかわらず、公園には沢山の人が距離をとりながらそれぞれの時間を楽しんでいます。作者はというと、家族や仲間とフリスビーに興じています。もしかしたら、飼い犬を連れているのかもしれません。寒さを忘れ、今日の日差しを目一杯使い切ろうという作者。そんなとき、ふいに強い風が吹きました。少し気の早い南風です。フリスビーはあおられ、大きく弧を描き曲がっていきます。その弧の大きさに、春への期待感、もっと言えばコロナ収束への願いも込められているように感じました。まことにおおらかで待春らしい景です。

夢捨てて身軽なをんな浜千鳥 香奈子 (特選)
汀に遊ぶ千鳥。万葉の頃から日本人に馴染みの深い、とても寂しげで儚げな季語です。そんな千鳥を遠く眺め、一人の女性が立ち尽くしている。若い頃の夢をとうとう投げ捨て、身軽になった女性の体の中を冬の風が容赦なく吹き抜けていきます。その虚しさを飼いならす日が来るのはもう少し先でしょうが、女性は既に前を向いて自身を肯定できるようになっていると思います。「をんな」という自らを突き放したような詠みぶりから、そんな決意を感じました。千鳥が旅鳥であることも思われて、なんとも哀愁を感じさせる句です。

寒明の鴉なよなよ鳴きにけり 林檎 (特選)
「なよなよ」とは、力がなくて弱々しい様です。こういった副詞は、うまくいくと一句の中で大変面白い働きをしてくれます。鴉というと、冬の季語に「寒鴉」がありますが、こちらは哀れの中にも鴉の図太さというか、逞しい生命力を感じさせます。一方、掲句は立春後の鴉です。この鴉は寒さも一服して、少し気が緩んだのでしょうか。つい本音というか、ホッと溜息のような声が漏れてしまったのでしょう。妙に人間臭い感じがして、滑稽感のある句だと思いました。「寒明け」と「なよなよ」が実によい相乗効果を生んでいると思います。


日脚伸ぶ娘と並び厨事 栄子 (特選)
春の待ち遠しい季節。まだまだ寒い日が続きますが、日一日と日脚は伸びて、新しい季節への期待は高まります。そんなある日、久しぶりに母娘で台所に立つことになりました。最初は他愛もないことを言い合っていたのですが、次第に普段は話さないようなことまで話題が広がっていきます。もちろん、二人とも手を休めることはありません。会話の途中で味付けの様子をみたりしながら、きりもなく続く母娘の会話。台所にはだんだんいい匂いが立ち込めてきました。母娘にとって、無上の幸せの時間でしょう。なにげない日常の些事ですが、季語が大変よく効いていると思います。


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インターネット句会 | 19:09:10 | トラックバック(0) | コメント(0)
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