2015-05-23 Sat
5月のインターネット句会の結果です。今回は、初参加の2名を含む18名が参加。投句は155句でした。
西村和子選
特選句
開演を待つ若葉風浴びながら 浩貴
真夜中に止まりし時計朧月 栄子
新緑やいただきますと聞こえ来て 礼美
レモン水一人旅企ててゐる 麻由美
しやぼんだま心はいつも置き去りに 泉
入選句
シリアルに牛乳たつぷりみどりの日 真理子
一日の始まりに新鮮な牛乳をたつぷり注いだシリアル、
そのさくさくとした歯触りまでもが感じられ、
みどりの日という季語の語感に重なる。(良枝)
薫風や三条大橋まで何里 浩貴
春の風邪読みかけばかり枕元 林檎
本を一冊読む前に眠くなり寝てしまう様子。
風邪をひいた子どもに本を読んであげているのを想像した。
春の風邪なので、軽い感じもするが、
長引くこともあるのでご用心を!(あき子)
新しき抜け道みつけ犬ふぐり 泉
鶯や今の幸せ奪ふなよ あき子
街薄暑行列のまた長くなり 千晴
鳥の恋人目気にしてゐるらしく 林檎
つまさきに陽のあつまりぬ犬ふぐり 泉
鳥曇呪はれしごと片頭痛 林檎
しやぼん玉ほんたうのこと云へなくて 泉
新緑やリュック華やぐ山の駅 玲子
冬は乗り降りする人が少ない駅(無人駅?)もあたたかくなり、
新緑の季節を迎えるとざわざわとハイキング等の人が集まってくる
賑やかな様子を素直に捉えた句だと思う。(礼美)
春の浜漁師募集の張り紙よ ゆかり
漁師って張り紙で募集するものなのか。
いや、普通はしないでしょ! という作者自身のツッコミを、「張り紙よ」の「よ」に感じた。
春の浜ののんびりのどかな風景と釣り合っていておもしろい。(麻美)
蘆の角淡海(おうみ)に京大漕艇部 紀子
人形の眉平らかに朧月 栄子
春のやさしい月明かりが入る部屋で、人形に気を留める作者。
この人形は市松人形?
おかっぱ頭の前髪からのぞく眉を想像しました。(ゆかり)
湖畔なほ緩やかに弧を描き春 味千代
合格は家を出ること三月尽 紀子
草餅や前掛けの子ら粉まみれ 玲子
いぬふぐり次の一歩を踏み出せず 泉
学生はTシャツ短パン春暑し 麻美
春惜しむ胎児の蹴りに応へつつ 味千代
銀幕は快晴外は夕立かな 麻由美
春風や新品のシャツはためかせ 玲子
シャンパンの泡のかろやかなる五月 良枝
額髪もろとも纏め夏近し 麻美
入学の写真に収まる松葉杖 紀子
穴子食ふ漁師言葉を馳走とし 浩貴
互選で人気のあった句です。
忘れたきこと一つ増え花は葉に 林檎
花は葉に七十年目の店じまひ 真理子
白靴の白すぎる白はづかしく 麻由美
おおかみとひつじの声音春の昼 ゆかり
次回は7月ですので、よろしくお願いいたします。
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