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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。
合同句集『海へ』刊行 Amazonでお求めいただけます。

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第53回インターネット句会特選句を読む
先日のインターネット句会の特選句について、
鏡味味千代さんが鑑賞を書いてくださいました。

いつの間に池の真中へ鴨の陣     真理子
池の鳥を見ていると、全く変わっていない景色と思いつ、気づかぬうちに全く変わっていることがある。
池にたむろしていた鴨も、何もしていないと思いつつ、池の下で足を動かしていたのか。
気づくと真中へ陣取っていたのである。

着膨れて貰ふサプリの試供品     実可子 
体を冷やさぬように。常に健康へ気を配っているのだろうか。
思わず差し出されたサプリの試供品も貰ってしまう。
映像が目に浮かぶ句。

臘月のテールランプの流れゆく     千穂
帰省だろうか。流れ行くというのだから、勢いよく走っている訳ではない。
長く続く車の列が過ぎていく。
年の瀬を思わせる一句。

鴨遠慮がち都鳥図々し          真理子
鴨は人を避けて逃げていく。
反対に都鳥は人を脅かすような振りをすることも。
しかし、都鳥を図々しくさせてのは、変に餌をやったりした人災かも。
鳥を人に似せて表現した興味深い句。

目を伏せてゆつくり蜜柑剥きにけり   麻美
子供だったら、皮はすぐに剥いてしまうだろう。
目を伏せる、ゆっくり剥く。
その二つの動詞で、年齢層や人柄を伺わせる。


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インターネット句会特選句鑑賞 | 20:05:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
第52回インターネット句会特選句を読む
インターネット句会の特選句について
今回は布川礼美さんが鑑賞文を書いてくださいました。

西瓜十五切とや子規健啖 千穂
本当にそんなに食べたとは、びっくりする?!
健啖とは、何でも好き嫌いなく良く食べること。
子規は、病床に食べたものを様々に記録に残していて、本当に食べたかどうかは真実はわからないらしいが、健啖家といわれている。

のぼさんのやうに寝転び鰯雲 林檎
のぼさんとは、正岡子規の本名 のぼる の愛称だ。
鰯雲の季語から、ぼんやりと空を眺めて、大の字にのびのびと物思いに耽りながら寝転ぶ様子が浮かぶ。

大海老の天丼うまし秋日和 あき子
私も食べたいな~。食欲の秋を満喫中か。

子規庵に足の向きたる九月かな 真理子
燃えるような暑い夏も収まり、九月に入り、季節もだんだんと過ごしやすくなる。
気温と共に心も穏やかに落ち着いてくるような気がする。
九月は新しいスタートの時でもある。
新たな気持ちをもって、秋の季節を楽しみたい。
食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、楽しみ方はいろいろだ。
俳句が大好きな作者は、きっと何度も訪れたことはあるのだろうが、子規庵に足が出向いた。
もう一度、基本に立ち返る思いだろうか。
新しい仲間も迎えて、再スタートを切るパラソル句会の思いも伝わってくるようだ。

箒目に箒目重ね秋の声 林檎
地面を掃いて重ねて作った箒目に涼やかな秋の訪れを感じたという。
秋の声とは、実際には見たり聞こえたりはしないが、どこから秋を感じとるかは人それぞれだ、作者は箒目に秋を感じ取った。
暑い時には感じ得なかったが、少し乾いてきた湿度の中にこそ、箒目の筋が生きたように見える。
作者は、そんな微妙な変化を見逃さずに感じ取り句にとらえた。静寂な句。


インターネット句会特選句鑑賞 | 20:16:13 | トラックバック(0) | コメント(0)
第49回インターネット句会特選句について
今回の特選句について、睡睡さんが鑑賞を書いてくださいました。

真つ白な自由帳にも桜散る       林檎
真つ白な自由帳という未来に向かう時間を感じさせる「静」の描写。
桜散るという過去を感じさせる「動」の描写。
それらは対比しながらも自然と調和して、
心にストンとおさまるような句。
桜というものはどうしたって、過去と未来を繋いでしまいますね。

卒業や付箋ばかりの参考書       志奈
卒業してもう使わない参考書。
それでも、なかなか簡単には捨てられない。
それは学生時代の生きた証の一部であるような、
誰かに見られたら少し恥ずかしい秘密のような…。
本人とそれを想う家族の心の重なり合いを想像させる
あたたかい一句。

春濤の島のあはひを押し寄せ来     依子
島のあはひに「押し寄せ来」なので
島と島との間は狭い。多島の海の風景。
「来」なのでどこかの島から読んだのか、あるいは橋の上からか。
そんな作者個人の視点を感じつつも、同時に
その光景を真上から俯瞰しているような「神」の視点も感じられる。
リアリティとフィクションがないまぜになった
対象との絶妙な距離感が春の感じにとても合う。

花吹雪抜けてくるなり郵便夫       真理子
どなたかも鑑賞に挙げていましたが
映画のワンシーンのような動的な句。
郵便夫はどんな便りを運んでくるのか
受け取るひとはどんなひとなのか。
あるいは郵便夫の人生について。
このあとの物語を思わず想像してしまいます。

灯ともりて桜瑞々しくなりぬ        林檎
夜桜に灯がともるとき、人を惹きつける理由。
それを瑞々しいとよみ切ったところが見事。
灯がともろうが灯るまいが、桜は桜。
でも、灯をともすことでわたしたちは
そこに特別な感情を抱く。
いにしえからの人と桜の関係に想いを馳せずにはいられない。


インターネット句会特選句鑑賞 | 21:17:18 | トラックバック(0) | コメント(0)
第48回インターネット句会特選句について
2月のインターネット句会の特選句について、杉谷香奈子さんが鑑賞を書いてくださいました。

半纏にデニム青空古本市      林檎
近所で開かれているのか。散歩がてら出かける古本市。
半纏とデニムが青空に眩しく映える。
色彩的にも鮮やかな秀句。

宿題は早口言葉日脚伸ぶ      礼美
冬が去り、ようやく温かい日差しが差し込むようになった。
早口言葉の宿題に取り組む子供の姿。
弾ける家族の笑い声。
早春のほのぼのとした家庭の一コマ。

灯ともせる手の皺深き阪神忌    志奈
亡くなった家族を追悼する方の手か。
あの阪神大震災から25年。
深く刻まれた皺が、忘れられない悲しみとともに歩んだ歳月を思わせる。

どうせすぐ忘るる話おでん酒    志奈
おいしいおでんをつまみながら話すあれこれ。
会社や家庭の中こと。愚痴話。
どうせお互いお酒が入っててすぐに忘れるから。この際、普段言えないことでも何でも話しちゃえ。
冬の酒席の微笑ましい情景。

太陽を封じ込めたる氷柱かな    ひより
きらきらと日光に光り輝く氷柱。
「封じ込めたる」という表現が、日を閉じ込めた宝石のようで、美しい。


インターネット句会特選句鑑賞 | 21:36:37 | トラックバック(0) | コメント(0)
第46回インターネット句会特選句について
インターネット句会の特選句について、
飯干ゆかりさんが鑑賞を書いてくださいました。

秋蝶の羽ひとつ欠け子規の庭  林檎
晩年の子規を秋蝶の姿に合わせて見ることができる。
その羽の一部欠けても、懸命に生きようとしているひたむきさが伝わる。

はらからを踏み越えて散る子蟷螂  麗加
蟷螂の幼虫はそのころから肉食で、共食いをすることもあるという。
生まれたときから生存競争にさらされている蟷螂。
あの小さい子カマキリの姿から、生きる力があふれている。

底紅や蔵の錠前さびつきて  真理子
底紅とは木槿のことで、周りでよく見かける初秋の花である。
蔵の白さと底紅の白の奥の紅の対比。さびついた錠前にその歴史を感じる。

をちこちの玻璃戸を鳴らす野分かな   真理子
今年も各地で台風による突風の被害がもたらされた。
強風にあちらこちらのガラス戸が音を立てている。
自然の猛威を前にして、玻璃戸の中の作者の心情も汲み取れる。

身に入むや子規の使ひし体温計  真理子
子規庵での吟行句であろうか。遺品のひとつの体温計。
没後百年以上経ても、まさに人間としての子規の息遣いがわかる。
「身に入む」の季語が、病床にあった晩年の子規の姿を思い浮かばせる。



インターネット句会特選句鑑賞 | 14:04:54 | トラックバック(0) | コメント(0)
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