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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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第43回インターネット句会特選句について
今回の鑑賞は、吉田林檎さんが書いてくださいました。

制服の並ぶ店先桜草         礼美
入学が決まり、制服を発注する店へ。
いつも前を通っているのに気が付かなかった場所だったり、
普段は入らないような路地にあったり、街の喧騒と住宅街の中間でよく見る店だ。
様々な中学・高校の制服の見本が並ぶ店の前には桜草。
店主の程よい心の余裕が桜草という選択に現れている。
入学を控えた喜びが桜草という身近な季語と響きあった等身大の一句。

曲芸師時折とちり花の昼       真理子
庭園でたまに見かける曲芸師。
散策や吟行の際に出会えると得した気分になる。
曲芸だからお喋りがメインではないものの、
たまにとちると観客としてはちょっと心配になり、
応援してあげたい気分になるものだ。ましてや作者は花見帰り。
あるいは曲芸師の背景に桜が舞っているのかもしれない。
「花の昼」という季語が応援してあげたい気持ちを増幅させている。

初燕ターミナル駅動き出す      栄子
線路を飛び交う初燕。
駅舎に巣があるのかもしれない。
初燕を見かけると、何かが動き出すという感慨が沸くものだ。
作者はそれにターミナル駅が始動するイメージを重ねた。
まるで燕がやってきたから駅が動き出すかのようだ。
朝のラッシュアワーも燕が来たからなのだと考えれば楽しむことが出来そうだ。
「初燕」という季語によって無機物の電車が前向きな意志を持ったものに変わった。

一陣の風に崩るる花筏        志奈
ゆっくりと川を流れていく花筏。
ひとつの形をなしていたものが、一陣の風によって崩れた。
日本人が持つ「花」への思い入れが
これをただの自然現象ではないものに昇華させている。
一年間待ち焦がれた開花、散っていくさまも愛でて、
花筏は桜の花びらを愛でる最終形である。
その花筏まで崩れて、作者は心乱れたのだ。
「崩るる」の「るる」の響きがその情景を描いているようでもある。

被災地と呼ばれ七年下萌ゆる     志奈
東日本大震災から7年。
恥ずかしながら「被災地」と呼ばれる側のことをあまり考えたことがなかった。
この句ではそれを良いとも悪いとも言っていない。
「下萌」は春の到来を実感させる季語なので、前向きにとらえていると考えたい。
いつまで被災地と呼ばれるのか。
忘れてはならないことだが、春はもう7回訪れた。
まだ整理のつかない気持ちも下萌の情緒に通じるものがある。


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インターネット句会特選句鑑賞 | 22:04:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
第42回インターネット句会特選句について
第42回インターネット句会の特選句について
巫依子さんが鑑賞を書いてくださいました。

続々と離陸着陸旅始    麗加
新年になって初めて出る旅を、飛行場に過ごす作者。
続々と離陸着陸する飛行機を眺めるも、
そこにはまた、作者だけではなく様々な人の旅の交錯があり…
そうした景が、作者自身の新年最初の旅というものへの感慨をより深めてくれたことであろう。

ふらここを漕げば漕ぎ方思ひだす   麗加
大人になると、ブランコを漕ぐことも
日頃はすっかり遠のいてしまうもの。
しかして、ひとたび漕ぎ出せば、身体には
子供の頃に身についた感覚がしっかり宿っているのだから不思議。

一瞬の黙雪女郎過りたり   林檎
人と人が話をしていて、ふとした瞬間に、
一瞬の沈黙が生まれることがある。
その一瞬の沈黙の瞬間の冷え冷えとした感じを、
雪女郎が過った瞬間と捉えたユニークさ。

着ぶくれて取り出す古文単語帳  真理子
古の言葉を学ぶも、着ぶくれるまでに
重ね着のゆるされている暮らしぶりにあるのが現代人。
試験迫る学生のリアリティー。

的を射ぬ電話相談春寒し  ゆかり
人が誰かに相談を持ちかける時、相談と云いながらも…
相手にただ共感を欲しているだけだったりで、
答えが出ないままに堂々巡りすることが往々にしてある。
が、しかし、時に的を射た答えを返されることで、
すとんと憑き物が落ちたようにスッキリすることがある。
そんな相談者本人も意表を突かれたような感じを、
「春寒し」という季語により語らせているのは巧み。


インターネット句会特選句鑑賞 | 09:28:51 | トラックバック(0) | コメント(0)
第41回インターネット句会特選句について
今回は、島野紀子さんが特選句の鑑賞を書いてくださいました。

三軒を巡りいつもの日記買ふ  林檎
一人一冊の日記、一年間ずっとそばに置く物だからこだわって選びたい。気分転換して違うのにしようと思ったり、やっぱりいつものが良いかな?と、とにかく迷う。掲句、わずか十七音に心の起承転結が見えて面白い。作者はいつもと違う日記買うつもりで家を出る。手にとってあれやこれや選ぶ。色々見たけど三軒目いつもの日記に出会い、やっぱりこれかな?と納得し、また新たな一年をこの日記ともに過ごそうと、まっさらなページの胸弾んだことでしょう。日記買ふは冬の季語だが、手帳買ふは季語ではない。季語への昇格もありそうだ。

この庭に祖父の面影枇杷の花   栄子
枇杷の花は静かに楚々と咲く、茶色柔毛まとい寒さに負けない潔さも持つ花。祖母でなく祖父が似合う。
祖父に遊んでもらった記憶、庭の手入れをしていた祖父後ろ姿、枇杷の花にお祖父様と日常の思い出溢れる作者の思いを垣間見た。

足組んで派手な靴下十二月   麗加
クリスマスを思わせる靴下柄か、はたまた冒険柄の靴下か、足を組んだからチラリと見つけてしまった意外性。そういう人に言えない、見ちゃった!!を書くのが俳句の楽しみでもある。十二月という季語が効いている。

美術館経由甘味屋文化の日  志奈
文化の日だから美術館で過ごした。いっぱいの感動と心に湧き上がるものを得た。まだ時間はあるし静かな甘味屋に行って鑑賞を分かち合おうよ。心もお腹も満たされた大人の休日をお福分けただきました。

冬の日や土手をころころ女の子  栄子
冬の日が効いている。通りすがりの女の子が土手を転がり枯草まみれになっていることでしょう。笑い声も聞こえてきそう。子供らしさ、風の子らしさがよく出ていて景が浮ぶ句。


インターネット句会特選句鑑賞 | 22:50:59 | トラックバック(0) | コメント(0)
第40回インターネット句会特選句について
10月のインターネット句会の特選句について、布川礼美さんが鑑賞を書いてくださいました。

爽やかや海へと続く坂翔けて    味千代
秋は気清く、明るく快適だ。
空気が乾燥して、清澄である爽やかで広々とした海辺の景、
青空を半分、海を半分、真っ直ぐスカッと下る坂道を想像した。

秋蝶も去りがたきかな子規の庭    真理子
子規の庭を秋蝶が様々な草や花に止まり、細々といつまでも楽しそうに飛んでいる。
秋蝶も の 「も」がポイントで、そんな楽しそうな秋蝶の姿に、いつまでも俳句と戯れていたい一時、
俳句を愛する作者の姿を重ねているのではないでしょうか。

こほろぎや戸口に挟む回覧板    麗加
作者が近所へ回覧板を届けに行った時を詠んだ句でしょうか。
ひっそりとチャイムを鳴らさずに?回覧板を戸口に挟んで、そっと後にする
玄関は、まだ留守か、応答がないのか、ただ暗闇の中でこおろぎの鳴き声だけが静かにりりり…りりり…と
聞こえてくる秋の静かな夜の情景が浮かんだ。

満月と差向かひたる観覧車    麗加
夜の遊園地の情景を詠んだ句でしょうか。
作者が、夜の観覧車に誰かと一緒に乗っているときの句でしょうか。
丸い観覧車と満月。夜の街の灯を背景に、ゆっくりとお互いに動くふたつの明るい丸が対照的で面白い。

火恋しコルトレーンの息遣ひ    泉
コルトレーンとは、ジャズの有名なサックスプレーヤーとのことだそう。
私は、彼のジャズの演奏を知らなかったため、恥ずかしながらyou tube で聞いた。
この句から、秋の夜の少し冷えゆく街や、ふと人のぬくもりが欲しくなった様子が浮かぶ。
私は、火恋しという季語を今回初めて知った。


インターネット句会特選句鑑賞 | 12:11:17 | トラックバック(0) | コメント(0)
第39回インターネット句会特選句について
インターネット句会の特選句について、今回は田村明日香さんが鑑賞を書いてくださいました。

緑陰に雨の匂ひの残りをり    林檎
木陰を歩いている時にふっと雨の匂いを感じたのでしょうか。
「緑陰」という光と影が交錯する場所での、瑞々しい質感が伝わってきます。
まさに一瞬の感覚を捉えた句だと思います。

水馬正面衝突することも     真理子
水馬はある向きに直線状に進みますが、この水馬は「正面衝突」してしまったとのこと。
人間や自動車であれば一大事ですが、あれほど軽そうな水馬であれば少し微笑ましく思います。
それを見ている作者のゆとりまで伝わってくるようです。

潮の香の男乗り来る冷房車    林檎
私は江ノ電のような海沿いの列車を想像しました。
海から帰る男の人たちが電車に乗り込む姿はよく見る光景です。
その姿を視覚的な情報ではなく「潮の香の」と表現したことでリアリティーが増しています。

叱りてもこの手離さず大夕焼    香奈子
母親と子どもの景でしょうか。
例え叱ったとしてもいつも子どものことを見守っている母の愛情が感じられます。
「大夕焼」という大きな季語と取り合わせたことで、どの親子にも共通する普遍性を得たように思います。

夕涼み姉のやうなる先生と    栄子
「姉のやうなる先生」という思い切った比喩が面白いと思いました。
少し厳しいけれども自分のことを思ってくれるような人なのでしょうか。
「先生」に対する信頼が心温かく感じられた一句でした。


インターネット句会特選句鑑賞 | 09:57:39 | トラックバック(0) | コメント(0)
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