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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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第39回インターネット句会特選句について
インターネット句会の特選句について、今回は田村明日香さんが鑑賞を書いてくださいました。

緑陰に雨の匂ひの残りをり    林檎
木陰を歩いている時にふっと雨の匂いを感じたのでしょうか。
「緑陰」という光と影が交錯する場所での、瑞々しい質感が伝わってきます。
まさに一瞬の感覚を捉えた句だと思います。

水馬正面衝突することも     真理子
水馬はある向きに直線状に進みますが、この水馬は「正面衝突」してしまったとのこと。
人間や自動車であれば一大事ですが、あれほど軽そうな水馬であれば少し微笑ましく思います。
それを見ている作者のゆとりまで伝わってくるようです。

潮の香の男乗り来る冷房車    林檎
私は江ノ電のような海沿いの列車を想像しました。
海から帰る男の人たちが電車に乗り込む姿はよく見る光景です。
その姿を視覚的な情報ではなく「潮の香の」と表現したことでリアリティーが増しています。

叱りてもこの手離さず大夕焼    香奈子
母親と子どもの景でしょうか。
例え叱ったとしてもいつも子どものことを見守っている母の愛情が感じられます。
「大夕焼」という大きな季語と取り合わせたことで、どの親子にも共通する普遍性を得たように思います。

夕涼み姉のやうなる先生と    栄子
「姉のやうなる先生」という思い切った比喩が面白いと思いました。
少し厳しいけれども自分のことを思ってくれるような人なのでしょうか。
「先生」に対する信頼が心温かく感じられた一句でした。


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インターネット句会 | 09:57:39 | トラックバック(0) | コメント(0)
第39回インターネット句会(2017年8月)
第39回インターネット句会の結果をお知らせします。

井出野浩貴選
特選句

緑陰に雨の匂ひの残りをり       林檎
水馬正面衝突することも        真理子
潮の香の男乗り来る冷房車       林檎
叱りてもこの手離さず大夕焼      香奈子
夕涼み姉のやうなる先生と      栄子
入選句
トロ箱になかなか章魚の収まらず    志奈
波乗りのほとんど波を待つ時間     麻美

波乗りといえば、やはり華麗に波をこえてゆく姿を想像しますが、
そうではなく待っている時間に注目したのが面白いと思いました(明日香)
おむすびの転がる先を蟻の列      林檎
切り紙をそっと開くよ梅雨ごもり     ゆかり 

湿度の高い梅雨の時期、外で遊ぶこともできず、家で時間をつぶすしかない。
紙もなんとなく湿っているのでしょう。
チョキチョキきれいに切り込みを入れた紙を、
壊さないように静かにゆっくり開けている低学年くらいの子、
そして、料理をしながら見守る母。
窓につく雫は冷たいけれど、温かい情景が見えました(ひより)
朝風を孕みて羽織り夏衣         志奈
水馬恋に破れて裏返る          林檎
追ひ越して我を待ちたる蜻蛉かな    麗加
仏桑花一株残す更地かな        味千代
頑張れば頑張れさうな夏の風邪     麻美
解体の体育館の西日かな        ゆかり
神々のおはす大地や虹二重       味千代
幾度もキャンプのしをり読みにけり  ゆかり

キャンプを心待ちに楽しみにしている景が浮かぶ。
参加するのは子供だろうが、母も 持ち物に忘れ物はないか、
入念に何度も確認する親心にも重なって面白い(礼美)
聞きをれば無心になりぬ蟬時雨     真理子
海水着砂と一緒に脱がれある      麻美
どつしりと大暑の畜舎閑かなり      ひより

じりじりとした日差しの中、畜舎が横に伸びている。
周囲は青々と、蝉は喧騒して正に夏の盛りなのだが、
畜舎は外界に押しつぶされるように、閑かにそこにあるという状景。
大暑の景と、暗く閑かな畜舎の対比が鮮やかに浮かび上がってくる句だと感じた(栄子)
水馬二重の水輪作りては         真理子 
枝豆や他人の恋のつまらなく       依子    
仲見世の暮れて風鈴騒ぎそむ      林檎


互選で人気のあった句もご紹介します。
上向きの蛇口大暑へ迸り        志奈
かき氷食べて百面相の子よ       栄子
とんぼうの合掌しつつ死ぬるなり    麗加


次回の締切は10月5日です。
記念すべき(!?)第40回ですので、多数のみなさんの参加をお願いいたします。



インターネット句会 | 11:22:37 | トラックバック(0) | コメント(0)
第38回インターネット句会の特選句について
今回の特選句の鑑賞は冨士原志奈さんが書いてくださいました。
どうもありがとうございました。

利かん気のどんどん帰る夕立かな   礼美
利かん気の子供たちは、「もう帰る時間よ」などと親に言われても、
なかなか言う事を聞かずに、まだまだ遊ぼうとするのでしょう。
ところが、あっという間に空が黒くなり、激しい雷雨となる天気の急変ぶりに
さすがの利かん気の子供たちもどんどん帰らざるを得ない状況。
夕立の激しさが引き立つ一句です。

螢火の瞬くたびに遠くなる       泉
螢を捕まえようとしても、すーっと逃げてしまうため、
瞬くたびに遠くなるというのは実景なのでしょう。
しかし、螢は恋を連想させ、また、螢に人生のはかなさを重ねて多くの句が詠まれてきました。
この句も、螢に恋を重ねて読むと、昔の恋を思い出して切なくなりますし、
人生のはかなさを重ねると、亡くなった親族や友人の顔がすうーっと遠くなるようです。
読み手の想像をかきたてる句ですね。

遠足の列の後ろがこぼれがち      あき子
これは本当に楽しい句ですね。
私は、遠足のときには最後尾が好きで、
列の後ろでこぼれがちに友達と歩き、よく先生に急かされました。
子供心のあふれた、明るい一句です。

うぐひすの出だしばかりを歌ひをり   麗加 
この鶯は、まだ練習途中なのでしょうか。
春になったばかりの頃は、「ホーホケキョ」ときれいに啼けない鶯が多いですよね。
「うぐひす」いえば、鳴き声の美しさが詠まれますが、
そのためには啼き始めの頃の練習が活きているのかもしれません。
鳴き声の美しい鶯だからこその一句。

炎天や何度も探す現在地        泉
私達は、地図で目的地を確認するときに、必ず現在地を確認しますよね。
作者は、炎天の中、目的の場所へ向かおうとして、
途中、途中にある、道案内の地図を見ては、「現在地」という表示を探しているのかもしれません。
本来、「目的地」はどこだろうと探すのに、「現在地」が分からなければ、目的地へたどり着けない。
そのために「目的地」を探す、というレトリックが面白いです。
また、この句も、私達がふと見失いそうな、人生の中での「現在地」を何度も探している、
と読んでもおもしろいかもしれませんね。
この読み方をすると、「炎天」のように人生で厳しいときほど「現在地」を探すともいえ、
深い句意と思いました。



インターネット句会 | 06:35:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
第38回インターネット句会(2017年6月)
今月のインターネット句会の結果をお知らせします。
投句者15名、125句と少なめでしたが、なかなかの佳句が出そろいました。

井出野浩貴選
特選句

利かん気のどんどん帰る夕立かな   礼美
螢火の瞬くたびに遠くなる       泉
遠足の列の後ろがこぼれがち      あき子
うぐひすの出だしばかりを歌ひをり   麗加 
炎天や何度も探す現在地        泉
入選句
緑陰をふいと飛び出す鴉かな      林檎
夕立あと路地にチョークの文字残り  礼美   
黒髪のほのかに蒼む梅雨入かな    香奈子

湿度が高くなる梅雨に、黒髪の湿っぽい匂いと、艶に反射する青紫色の花も見えるようです。(ひより)    
蔦茂るカラオケパブの古庇       林檎
ハンモック吊られ学生寮の庭      麻美
アルトサックス音色ひときは街薄暑  真理子
夏蝶や墓碑銘のまだ新しく        志奈
追ひかけて追ひかけらるるプールかな 礼美
えごの花時計の針の動かざる      志奈

えごが可憐な花を咲かせる初夏、ふいに止まってしまった時計。
初夏の静かなひと時が風景画のように浮かびました。(香奈子)
緑陰やシャッター切れば欠伸して    林檎
水門へ水まつすぐに青芒         栄子
辻褄の合はぬ話やソーダ水       志奈

ソーダ水を飲みながらじっと聴き入っている話。
でもアルコールではないので、やはりどこか冷静に聴いてしまっていると、
なんだか辻褄の合わない話だな…とは、作者の心の声。(依子)
一切の音吸ひこんで夜の新樹      泉
ハンモック置き所なき両の腕       麻美
叱る声路地に洩れくる薄暑かな      真理子    
客降ろす車夫の額に汗しとど      志奈
芋虫の渡る湾岸道路かな        ゆかり
母の日を忘れてゐてもいいんだよ   ひより
最後には取り繕へず心太         志奈
はいとしか言はぬ生徒の玉の汗     麻美

クラブ活動中の生徒が、指導者の言葉を真剣なまなざしで聞いている様子を想像した。
「はいとしか言はぬ」、まだ中学生くらいの年頃だろうか。
玉の汗から、生徒の真剣さが痛々しいまでに伝わってきて、胸を突かれた。(麗加)
日焼け子の納得行かぬ目つきかな   礼美

互選で人気のあった句です。
旋律のやうな文体若葉雨        泉
母の日や似顔絵の我朗らかに     麗加
ハンモック吊られ学生寮の庭     麻美
遠足の列のくの字に坂のぼる     あき子


次回は8月ですので、よろしくお願いいたします。

インターネット句会 | 10:31:44 | トラックバック(0) | コメント(0)
第37回インターネット句会特選句について
4月のインターネット句会の特選句について、鏡味味千代さんが鑑賞を寄せてくださいました。

一斉に顔をめがけてしやぼん玉    麗加
まるで顔に全部が飛んできたように思えるくらいの沢山のシャボン玉を吹いたのだろうか。
きゃーきゃーとはしゃぐ子供達の声まで聞こえそうな句。

もじもじの隣あたふた新入生     紀子
小学校の入学式の様子だろうか。初めての学校、初めての友達、初めての教室。
不安もいっぱいだけれど、ワクワクも感じる。
「もじもじ」と「あたふた」と、擬音を上手く使った一句。

花冷や草の匂ひの粉薬        泉
なんだか魔女の妙薬のような粉薬。
花冷の季語とあいまって、ファンタジーのような世界が広がる。

蕗味噌や厨に近き母の椅子      栄子
お母さんは忙しい。
ご飯の時でさえ、お代わりに立ったり、温めていたおかずを取りに行ったり、子供がこぼした物を拭いたりと、ゆっくり食べる暇もない。
だから台所に一番近い所がお母さんの席だ。
これは日本だけではないようで、フランスでホームステイをした折、フランスのホストマザーの席も厨に近い席だった。
フランスでは家庭の食事もコースで出るので、お母さんはやはり大忙し。
そしてそのことが、異国での食卓についた私を少しほっとさせた。

花衣脱げはさらさらみづの音     明日香
おめかしの着物。上質な絹の、少し冷やっとする肌触りを、まるで手に取るように感じる。
音で触感まで表現しているのが上手だな、と思った。
また花衣を纏った浮き立つ気持ちと、でもやはり脱いだ時のホッとする感じ。
そんなことも感じる句。




インターネット句会 | 20:29:14 | トラックバック(0) | コメント(0)
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