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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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第37回インターネット句会特選句について
4月のインターネット句会の特選句について、鏡味味千代さんが鑑賞を寄せてくださいました。

一斉に顔をめがけてしやぼん玉    麗加
まるで顔に全部が飛んできたように思えるくらいの沢山のシャボン玉を吹いたのだろうか。
きゃーきゃーとはしゃぐ子供達の声まで聞こえそうな句。

もじもじの隣あたふた新入生     紀子
小学校の入学式の様子だろうか。初めての学校、初めての友達、初めての教室。
不安もいっぱいだけれど、ワクワクも感じる。
「もじもじ」と「あたふた」と、擬音を上手く使った一句。

花冷や草の匂ひの粉薬        泉
なんだか魔女の妙薬のような粉薬。
花冷の季語とあいまって、ファンタジーのような世界が広がる。

蕗味噌や厨に近き母の椅子      栄子
お母さんは忙しい。
ご飯の時でさえ、お代わりに立ったり、温めていたおかずを取りに行ったり、子供がこぼした物を拭いたりと、ゆっくり食べる暇もない。
だから台所に一番近い所がお母さんの席だ。
これは日本だけではないようで、フランスでホームステイをした折、フランスのホストマザーの席も厨に近い席だった。
フランスでは家庭の食事もコースで出るので、お母さんはやはり大忙し。
そしてそのことが、異国での食卓についた私を少しほっとさせた。

花衣脱げはさらさらみづの音     明日香
おめかしの着物。上質な絹の、少し冷やっとする肌触りを、まるで手に取るように感じる。
音で触感まで表現しているのが上手だな、と思った。
また花衣を纏った浮き立つ気持ちと、でもやはり脱いだ時のホッとする感じ。
そんなことも感じる句。




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インターネット句会 | 20:29:14 | トラックバック(0) | コメント(0)
第37回インターネット句会(2017年4月)
インターネット句会の結果をご報告します。
今回は参加17名で、152句の投句がありました。

井出野浩貴選
特選句

一斉に顔をめがけてしやぼん玉    麗加
もじもじの隣あたふた新入生      紀子
花冷や草の匂ひの粉薬         泉
蕗味噌や厨に近き母の椅子      栄子
花衣脱げはさらさらみづの音      明日香

入選句
東京の隙間に萠ゆる蓬かな      味千代

ビルとビルの間の僅かな空間を占領している蓬、無機質なコンクリートとアスファルトの街にも自然の生命の躍動感を感じました。また、埃っぽい臭いにまざって、草の良い香りが漂ってくるようです。(ひより)
この家のポスト満杯花ミモザ     栄子
ブティックに寄席のポスター風光る  真理子
春寒や旧家の廊下軋みたる      ゆかり
父一人離れて座る花見かな      礼美

昭和のお父さんというイメージだ。家族と一緒に居るひと時もどこかつかみどころがなく、仕事のことを考えているのか、何らかの感慨にふけっているのか、もしかしたら桜にまつわる記憶を辿っているのだろうか。単に団欒の中にいるのが照れくさいのかもしれないが…。そんな父を気にかけている作者の位置まで見えてくるような、再現力を感じた句。(栄子)
清明や少女のひたひ大らかに     麗加
春の草子の自転車について行く    礼美
青饅や晩年はまだ先のこと       栄子
雛納太陰暦にしたがひて        紀子
いつの間にいつもの道に初桜     香奈子
入学の少年選ぶペンケース       ゆかり
手触りはいかにと思ふ蝌蚪の紐    真理子
夜桜となりてますますしだれをり    林檎

背景が闇になると、桜も、重力に対して昼間以上に気怠く感じるのかもしれません。(麻美)
時計台振り返りみて卒業す       泉
草野球外野に蝶のまた来たる      紀子

草野球の、しかも、あまりボールも届いてこない外野ののどかな景色の中に、蝶がまた来るという、穏やかでのんびりとした気持ちよさを感じました。(志奈)
花曇鉄の匂ひのたなごころ       林檎
雨戸繰る音聞こえきし朝寝かな     礼美
新社員部署名言ふもたどたどし     林檎
死ぬるため砂吐かさるる浅蜊かな   志奈

こんな浅蜊の句は珍しいと思ってすぐ取ってしまいました。「死ぬために」ですと若干説明的なので「死ぬための」の方が私はよいかと思いましたが、確かに、と納得しました。食べるために砂を吐かせるという、人間のエゴイズムを感じました。(明日香)
そののちの旅人気分春ショール      依子
清明や水筒の水分け合ひぬ        栄子
春燈や青インク選りガラスペン       泉
さくら咲く嬰はこぶしをしやぶりをり    麗加
背番号もらへぬ子にも若葉風       香奈子
馬跳びの父の背中や蓮華草        麗加


互選で人気のあった句です。
仲直りせぬまま春の星となり         香奈子
麗らかやアップルパイの焼き上がり     あき子


次回は6月ですので、よろしくお願いいたします。

インターネット句会 | 22:38:56 | トラックバック(0) | コメント(0)
第36回インターネット句会特選句について
今回は、青木あき子さんが鑑賞を書いてくださいました。

見返り坂見送り坂春遠からじ 泉
東大前にある本郷通りは緩やかな坂になっている。
六百年前、人が江戸から追放された場所で、親類縁者が追放される人を見送り、追放される人は送る人々を振り返り見たところから、見送り坂・見返り坂と言われたそう。
見送るもの、見送られるもの、様々な人生が行き交ったことだろう。作者はその場所に立っている。追放される人たちは再び会うことはないだろうが、それでも季節は巡って春がやってこようとしている。
作者は春を感じる坂に立ち、遠い昔の人々のせつない気持ちを思いやっている。

鬼ごつこマフラーかなぐり捨てし子よ 麗加
寒い冬でも外で元気に走り回る子どもが目に見えるようだ。声も聞こえてくる。
頬を紅く染め上げ、鬼ごっこをはじめてから間もなく、熱くなってマフラーをえいっとばかりに潔く取り去った瞬間を捉えている。
作者はその潔さ、迷いのなさ、子どもにみなぎる生命力を受け止め、見守っている。
そしてその子のこれからの健やかな成長を祈り、期待している。勢いがある一句。

めがね押し上ぐる指先春浅き 林檎
めがねを押し上げる指先・・・眼鏡のふちをつまんで押し上げたのか、レンズとレンズの境目を人差し指で押し上げたのか。
その指はごつごつしている指かすらりとしている指か。鏡の前に立っていろいろ想像してしまった。
眼鏡を押し上げるという動作にこれからやってくる春の気配が感じられる。
指先の動きに春を感ずる作者の鋭い感性が光る一句。

迷ふのも楽しきバレンタインデー 優美子
バレンタインデー。チョコレート選び。デパ地下や有名店では女性客が列を作ってチョコレートを買い求める。
彩り、味、形、値段、どれにしようかあれこれ迷ってしまう。
これもかわいい、あれもステキ。これはあの人に渡そうか。
バレンタインデーの女性ならではの楽しみ方だ。

袋綴頁ざくざく開けて春 泉
雑誌などに付いている袋とじのページ。早く開けたい、気になるページ。
そんな袋とじをカッターできれいに切るのではなく、はさみか指でざくざく開けた。
袋とじの中の「春」を早く見たいという、作者のはやる気持ちが表れている。
早く「春」になってほしい。「春」を待ち望む期待感にあふれている。
句を口に出すと、「春」がぽんっと出てきたような面白さもある。


インターネット句会 | 23:28:01 | トラックバック(0) | コメント(0)
第36回インターネット句会(2017年2月)
今年から、偶数月は通常の句会とインターネット句会の両方を行うことになりました。
2月のインターネット句会は、参加者16名、投句162句でした。

井出野浩貴選
特選句

見返り坂見送り坂春遠からじ     泉
鬼ごつこマフラーかなぐり捨てし子よ 麗加
めがね押し上ぐる指先春浅き     林檎
迷ふのも楽しきバレンタインデー   優美子
袋綴頁ざくざく開けて春        泉

入選句
待春や出窓の猫の大き伸び      ゆかり
オムレツに光織りまぜ春立ちぬ    林檎

日の光を織り交ぜるように
卵をときながら作ったオムレツなんでしょうね。
優しさと明るさにあふれるステキなオムレツを誰のために作ってるのかなと想像するのも楽しいです。(志奈)
顔ぶれの打ち揃ひたり初句会     優美子
名画座の闇を出づれば雪催ひ     志奈
待春や雀荘古書店ペナント屋     泉
冬館主は画家の未亡人        香奈子
ジャンプして写真撮影春立ちぬ    礼美

この写真、SNSにアップしたに違いない。
ジャンプして撮影するというのは最近の流行であるが、「春立つ」の気分にぴったりではないか。
春立つという季語からは、屋外で撮影している情景が想像される。
若さにあふれた句だ。(林檎)
寒林を貫くひかりありにけり     真理子
宿題の子を傍らに毛糸編む      麗加
模擬試験風邪をうつされ帰り来し   真理子  
小春日や六畳一間の古本屋      味千代
坂道を空まで駆けん春隣       優美子
料峭や約束の刻まだ遠く       林檎
竜の玉明日の予定を白紙にし     志奈
受験子の母は落第かもしれぬ     麻美

母親に合格不合格もあったものではないけれど、受験に向けて一生懸命に取り組む我が子の姿を前に、自分は受験生を抱える母親として、いったいどれ程のことをしてやれているだろう。
そう自問した時、これでは落第かもしれないなと自省している姿がなんとも慎ましい一句。(依子)
背番号靴にも刺繍春隣     泉
お子さんが、打ち込んでいたスポーツのレギュラーに選ばれたのだろうか。
頑張る姿を近くで見て応援していた母親にとっても、とても嬉しいことだろう。
嬉しくて何度も眺める背番号、よく見ると靴にまで・・!
背番号の晴れがましさと、春隣という季語がよく合っていると思う。
それにしても、背番号って靴にも入れるものなんですね、知らなかったです!(麗加)
我知らぬ我の心や春浅し       優美子
ペダル踏むごとに梅の香近くなり   優美子

梅苑が目的地なのか、通過点なのか。
徒歩でもない、車でもない自転車独特のスピード感が出ていて、迷わずいただきました。(紀子)
日脚伸ぶ境内に子ら鬼ごつこ     ひより 
全集の一冊欠けて冴返る       ゆかり

本棚の隙間という何気ない日常の一コマ。
そこに「冴え返る」という季語がぴったり合っていて…。
感性の鋭さに脱帽しました。(香奈子)
学問所てふ門札や冬木の芽      真理子 
受験の子振り返らずに行きにけり   麻美

受験の緊張感の中にも、いつの間にか大きくなった我が子の頼もしさを感じる。(味千代)
壁打つて戻りしボール風光る     麗加
鎌倉の浪ゆるやかに春来る      志奈
おかへりと迎ふる店や煮大根     栄子


互選で人気のあった句もご紹介します。
三日月の明るき島の追儺かな     依子
ビーズ欲し自転車も欲し春隣     あき子
鬼やらひ母の顔見てまた泣きぬ    味千代
ヘッドフォン放り投げよ春遠からじ  泉
セーターを着せる介護に手順あり   ゆかり


次回は4月5日締切ですので、よろしくお願いいたします。

インターネット句会 | 10:49:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
第35回インターネット句会特選句について
昨年12月のインターネット句会の特選句について、田中優美子さんが鑑賞を書いてくださいました。

風吹いて飛び火のごとき紅葉かな   麗加
紅葉はよく「燃えるよう」と例えられるが、散るさまにも火と いう比喩を使っているところに斬新さを感じる。
寒々しさの募る曇の日、紅葉の散るまさにその空間が、火が飛んだように鮮やかで熱気を帯びている。
そんな様子を脳裏に浮かべ、作者の感動に思いを馳せられる句である。

角一つ曲がり違へて暮早し       志奈
色々と考えがめぐる1句。
曲がり違えるということは大きな道路ではなく、小さな路地だろう、それに慣れている道でもない、どこかを訪れた帰路なのだろうか。
早く出たつもりが、冬の暮れはこんなに早い。
曲がり違えたことに焦りつつ家路を急ぐ姿が思い浮かぶ。
道を間違えたという失敗も、俳句にすればこんなに想像をかきたて、楽しませてくれる。

おろしやの匂ひをまとひ白鳥来     林檎
「匂ひ」というのは不思議な言葉だと思う。
具体的に嗅覚を刺激するものだけでなく、趣や雰囲気を表すこともできる。
それでいて「趣」などと言うよりも、もっと幽かで繊細に感じ取るべきもののあることを感じさせる。
鼻先に微かに感じるほどに、北国の情趣をまとわせた白鳥がやって来たという幻想的で神秘的な情景は、おろしやの「風」とか「音」ではなく、「匂ひ」だからこそ伝わるものだろう。

手袋を片方はづし投函す       良枝
寒さの厳しいとき、できれば手袋をはずしたくないもの。
しかし投函する前に、もう一度しっかり手に取って手紙を確かめたい。
けれど寒いから、はずすのは片方だけにしておこう…。
ただ手紙を投函するという何でもない行為でも、俳句に切り取ることで、冬に誰しもが覚える思いを共有できる。
作者の気づきの細やかさにはっとさせられる1句。

おじや吹く三歳肩をいからせて      麗加
火傷しないよう力いっぱいおじやを吹いている様子がありありと浮かぶ。
私も幼いころ、「ふーふーして食べなさい」と言われたことを思い出す。
この句の味わい深さは、詠まれている子の可愛らしさやいじらしさに心温まると同時に、自分の中の子どもの頃が呼び覚まされて、つい微苦笑してしまうような、そんな家庭の匂いを感じさせてくれるところだ。


インターネット句会 | 20:33:47 | トラックバック(0) | コメント(0)
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