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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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第40回インターネット句会特選句について
10月のインターネット句会の特選句について、布川礼美さんが鑑賞を書いてくださいました。

爽やかや海へと続く坂翔けて    味千代
秋は気清く、明るく快適だ。
空気が乾燥して、清澄である爽やかで広々とした海辺の景、
青空を半分、海を半分、真っ直ぐスカッと下る坂道を想像した。

秋蝶も去りがたきかな子規の庭    真理子
子規の庭を秋蝶が様々な草や花に止まり、細々といつまでも楽しそうに飛んでいる。
秋蝶も の 「も」がポイントで、そんな楽しそうな秋蝶の姿に、いつまでも俳句と戯れていたい一時、
俳句を愛する作者の姿を重ねているのではないでしょうか。

こほろぎや戸口に挟む回覧板    麗加
作者が近所へ回覧板を届けに行った時を詠んだ句でしょうか。
ひっそりとチャイムを鳴らさずに?回覧板を戸口に挟んで、そっと後にする
玄関は、まだ留守か、応答がないのか、ただ暗闇の中でこおろぎの鳴き声だけが静かにりりり…りりり…と
聞こえてくる秋の静かな夜の情景が浮かんだ。

満月と差向かひたる観覧車    麗加
夜の遊園地の情景を詠んだ句でしょうか。
作者が、夜の観覧車に誰かと一緒に乗っているときの句でしょうか。
丸い観覧車と満月。夜の街の灯を背景に、ゆっくりとお互いに動くふたつの明るい丸が対照的で面白い。

火恋しコルトレーンの息遣ひ    泉
コルトレーンとは、ジャズの有名なサックスプレーヤーとのことだそう。
私は、彼のジャズの演奏を知らなかったため、恥ずかしながらyou tube で聞いた。
この句から、秋の夜の少し冷えゆく街や、ふと人のぬくもりが欲しくなった様子が浮かぶ。
私は、火恋しという季語を今回初めて知った。


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インターネット句会 | 12:11:17 | トラックバック(0) | コメント(0)
第40回インターネット句会(2017年10月)
早いもので、インターネット句会も今回で40回目です。
今回の参加は16名、138句が集まりました。

井出野浩貴選
特選句

爽やかや海へと続く坂翔けて    味千代
秋蝶も去りがたきかな子規の庭   真理子 
こほろぎや戸口に挟む回覧板    麗加
満月と差向ひたる観覧車       麗加
火恋しコルトレーンの息遣ひ     泉
入選句
宣誓の声の擦れて運動会      礼美

突き抜けるような青空のもとで行われた運動会。
選手宣誓が行われるのはプログラム最初の開会式。
競技がはじまる前で、生徒も先生も観客もまだ表情が硬い。
そんな中、代表の生徒はまさに晴れ舞台に立って宣誓をはじめるのだが、
過度の緊張で最初の一声が擦れてしまった。
声が擦れたというところにリアリティがあっていいと思った。(真理子)
新涼や触れ合うて鳴る牛乳瓶    麗加   
上野にも粧ふ山のありにけり     味千代
犬連れて母を待ちをる良夜かな   麻美
木犀の真只中に佇みぬ        泉 
文机の一輪挿しの鶏頭花      真理子
老いの手の記憶鮮やか豊の秋    ゆかり        
雨音の重くなりたり颱風圏      麗加     
白壁に椅子の影おき秋灯      泉
新米や天地をかへす釜の中     栄子

炊き上げたお米を杓文字でかえしている場面を想像しました。
それを「天地」と表現しているところが大らかですし、
また穀物を育てる自然の恵みまで感じることができます。
この新米を食べてみたいものです。(明日香)
大海の光もろとも秋刀魚焼く    志奈
やうやくに日の差して来し萩の庭  林檎
ゆるゆるとセスナ旋回秋の空    あき子  
この列は何の行列秋うらら     泉

何に並んでいるのかわからないがやたら長い行列を見かけた。
そこに加わるつもりはもちろんなく、
結局何の行列なのかにもあまり興味がない様子が「秋うらら」というに託されている。
作者は一瞬だけそれを思ってすぐさま吟行にでも行ったのであろう。(林檎)
おかはりの子に新米のてんこ盛り    栄子
島の子のヒップホップに月を待つ   依子
塩・砂糖小瓶に分けて秋思かな    明日香

微かな音を立てながら、さらさら流れ落ちる塩・砂糖。
何気ない家事のひとこまにも秋に想いを馳せる繊細な感受性を感じました。(香奈子)
ピストルの音に泣き出し運動会    麗加
このような思い出を句に残せる作者の環境が本当に羨ましいです。
幼稚園時代って当時は泣きたくなるくらい大変でしたが、
ピストルに泣くなんて今だけです。
羨ましくて頂いた一句です。(紀子)
竿自慢ばかりしてをり鯊日和    志奈 
「鯊」を釣るぐらいの気軽さゆえに、
釣りをしている人も本格的に釣りをというわけではなく、
趣味程度にまずはその格好をご機嫌に楽しんでいるという感じが、
竿自慢ばかりしているという表現でよくわかる。
季題がよくきいている。(依子)
港から港へ月に導かれ       依子
ややありて母の返事や十六夜    志奈


互選で人気の句もご紹介します。
円陣を離るる右手天高し        明日香
木犀や言葉にせねば消ゆるもの   泉
爽やかやエレベーターのすぐ来たる あき子
ライターのカチャリと開く虫の闇    栄子
赤ちゃんを連れし先生運動会    礼美


次回は12月5日締切です。
今年の納め句座となりますので、みなさんの参加をお待ちしています。

インターネット句会 | 22:45:10 | トラックバック(0) | コメント(0)
第39回インターネット句会特選句について
インターネット句会の特選句について、今回は田村明日香さんが鑑賞を書いてくださいました。

緑陰に雨の匂ひの残りをり    林檎
木陰を歩いている時にふっと雨の匂いを感じたのでしょうか。
「緑陰」という光と影が交錯する場所での、瑞々しい質感が伝わってきます。
まさに一瞬の感覚を捉えた句だと思います。

水馬正面衝突することも     真理子
水馬はある向きに直線状に進みますが、この水馬は「正面衝突」してしまったとのこと。
人間や自動車であれば一大事ですが、あれほど軽そうな水馬であれば少し微笑ましく思います。
それを見ている作者のゆとりまで伝わってくるようです。

潮の香の男乗り来る冷房車    林檎
私は江ノ電のような海沿いの列車を想像しました。
海から帰る男の人たちが電車に乗り込む姿はよく見る光景です。
その姿を視覚的な情報ではなく「潮の香の」と表現したことでリアリティーが増しています。

叱りてもこの手離さず大夕焼    香奈子
母親と子どもの景でしょうか。
例え叱ったとしてもいつも子どものことを見守っている母の愛情が感じられます。
「大夕焼」という大きな季語と取り合わせたことで、どの親子にも共通する普遍性を得たように思います。

夕涼み姉のやうなる先生と    栄子
「姉のやうなる先生」という思い切った比喩が面白いと思いました。
少し厳しいけれども自分のことを思ってくれるような人なのでしょうか。
「先生」に対する信頼が心温かく感じられた一句でした。


インターネット句会 | 09:57:39 | トラックバック(0) | コメント(0)
第39回インターネット句会(2017年8月)
第39回インターネット句会の結果をお知らせします。

井出野浩貴選
特選句

緑陰に雨の匂ひの残りをり       林檎
水馬正面衝突することも        真理子
潮の香の男乗り来る冷房車       林檎
叱りてもこの手離さず大夕焼      香奈子
夕涼み姉のやうなる先生と      栄子
入選句
トロ箱になかなか章魚の収まらず    志奈
波乗りのほとんど波を待つ時間     麻美

波乗りといえば、やはり華麗に波をこえてゆく姿を想像しますが、
そうではなく待っている時間に注目したのが面白いと思いました(明日香)
おむすびの転がる先を蟻の列      林檎
切り紙をそっと開くよ梅雨ごもり     ゆかり 

湿度の高い梅雨の時期、外で遊ぶこともできず、家で時間をつぶすしかない。
紙もなんとなく湿っているのでしょう。
チョキチョキきれいに切り込みを入れた紙を、
壊さないように静かにゆっくり開けている低学年くらいの子、
そして、料理をしながら見守る母。
窓につく雫は冷たいけれど、温かい情景が見えました(ひより)
朝風を孕みて羽織り夏衣         志奈
水馬恋に破れて裏返る          林檎
追ひ越して我を待ちたる蜻蛉かな    麗加
仏桑花一株残す更地かな        味千代
頑張れば頑張れさうな夏の風邪     麻美
解体の体育館の西日かな        ゆかり
神々のおはす大地や虹二重       味千代
幾度もキャンプのしをり読みにけり  ゆかり

キャンプを心待ちに楽しみにしている景が浮かぶ。
参加するのは子供だろうが、母も 持ち物に忘れ物はないか、
入念に何度も確認する親心にも重なって面白い(礼美)
聞きをれば無心になりぬ蟬時雨     真理子
海水着砂と一緒に脱がれある      麻美
どつしりと大暑の畜舎閑かなり      ひより

じりじりとした日差しの中、畜舎が横に伸びている。
周囲は青々と、蝉は喧騒して正に夏の盛りなのだが、
畜舎は外界に押しつぶされるように、閑かにそこにあるという状景。
大暑の景と、暗く閑かな畜舎の対比が鮮やかに浮かび上がってくる句だと感じた(栄子)
水馬二重の水輪作りては         真理子 
枝豆や他人の恋のつまらなく       依子    
仲見世の暮れて風鈴騒ぎそむ      林檎


互選で人気のあった句もご紹介します。
上向きの蛇口大暑へ迸り        志奈
かき氷食べて百面相の子よ       栄子
とんぼうの合掌しつつ死ぬるなり    麗加


次回の締切は10月5日です。
記念すべき(!?)第40回ですので、多数のみなさんの参加をお願いいたします。



インターネット句会 | 11:22:37 | トラックバック(0) | コメント(0)
第38回インターネット句会の特選句について
今回の特選句の鑑賞は冨士原志奈さんが書いてくださいました。
どうもありがとうございました。

利かん気のどんどん帰る夕立かな   礼美
利かん気の子供たちは、「もう帰る時間よ」などと親に言われても、
なかなか言う事を聞かずに、まだまだ遊ぼうとするのでしょう。
ところが、あっという間に空が黒くなり、激しい雷雨となる天気の急変ぶりに
さすがの利かん気の子供たちもどんどん帰らざるを得ない状況。
夕立の激しさが引き立つ一句です。

螢火の瞬くたびに遠くなる       泉
螢を捕まえようとしても、すーっと逃げてしまうため、
瞬くたびに遠くなるというのは実景なのでしょう。
しかし、螢は恋を連想させ、また、螢に人生のはかなさを重ねて多くの句が詠まれてきました。
この句も、螢に恋を重ねて読むと、昔の恋を思い出して切なくなりますし、
人生のはかなさを重ねると、亡くなった親族や友人の顔がすうーっと遠くなるようです。
読み手の想像をかきたてる句ですね。

遠足の列の後ろがこぼれがち      あき子
これは本当に楽しい句ですね。
私は、遠足のときには最後尾が好きで、
列の後ろでこぼれがちに友達と歩き、よく先生に急かされました。
子供心のあふれた、明るい一句です。

うぐひすの出だしばかりを歌ひをり   麗加 
この鶯は、まだ練習途中なのでしょうか。
春になったばかりの頃は、「ホーホケキョ」ときれいに啼けない鶯が多いですよね。
「うぐひす」いえば、鳴き声の美しさが詠まれますが、
そのためには啼き始めの頃の練習が活きているのかもしれません。
鳴き声の美しい鶯だからこその一句。

炎天や何度も探す現在地        泉
私達は、地図で目的地を確認するときに、必ず現在地を確認しますよね。
作者は、炎天の中、目的の場所へ向かおうとして、
途中、途中にある、道案内の地図を見ては、「現在地」という表示を探しているのかもしれません。
本来、「目的地」はどこだろうと探すのに、「現在地」が分からなければ、目的地へたどり着けない。
そのために「目的地」を探す、というレトリックが面白いです。
また、この句も、私達がふと見失いそうな、人生の中での「現在地」を何度も探している、
と読んでもおもしろいかもしれませんね。
この読み方をすると、「炎天」のように人生で厳しいときほど「現在地」を探すともいえ、
深い句意と思いました。



インターネット句会 | 06:35:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
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