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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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第43回インターネット句会(2018年4月)
4月のインターネット句会の結果です。
今回は15名参加、投句は139句でした。

井出野浩貴選
特選句

制服の並ぶ店先桜草         礼美
曲芸師時折とちり花の昼       真理子
初燕ターミナル駅動き出す      栄子
一陣の風に崩るる花筏        志奈
被災地と呼ばれ七年下萌ゆる     志奈
入選句
カメラマン集ひし駅舎山笑ふ     味千代  
薔薇の芽のすでに高みを目指しをり  林檎     
行春や航海灯の点りそむ       依子
花吹雪みどりごも空仰ぎたる     礼美    
チューリップこれは大人の話です   林檎 
これよりは都を離れ花筏       紀子

草の河川敷で咲きに咲いた桜。
散った後は花びらが1つになって海を目指す。
そんな光景が浮かびました。
「これよりは」という言葉に、満開になった桜の誇りを感じます。(味千代)
ロッカーのずらり口開け春休み    麻美
進級していく生徒らの使っていたロッカー。
中身が取り払われて、かなり綺麗に掃除までされているよう。
それはまるで、溜まった物を吐出したようなスッキリ感。
とても的確に状況を捉えている句だと思います。(ひより)
この世界素晴らしと春宵のジャズ   栄子
春の宵ハチ公口に人溢れ       栄子
万愚節男の子も美白化粧水      紀子
出番待つ稚児の欠伸や花祭      志奈
揃へたる靴にも入る落花かな     礼美 
俳号で呼び合ふ宴四月馬鹿      林檎

たしかにこの句会だって嘘でできている! 
俳号で呼び合ふ宴、心あたりがあります(睡)
いつもとは違ふシャンプー春の宵   睡
制服に背骨あるかに新入生      麻美
ピン留めを栞代わりに春の昼     あき子 

ピン留めを栞の代わりに本に挟む。
その何気ない動作が春の昼という感じです。(ゆかり)
花曇橋から橋へ江戸巡り       味千代
荷物番桜吹雪を浴びにけり      礼美   
春の波そつと靴先洗ひをり      ひより
廃屋や瓦の隙の草若し        ゆかり
妖怪も立ち交じりたる花見かな    真理子
花の屑払ひてリユツク背負ひけり   礼美

桜の花びらをはらう、という何気ない動作を詠んだところに惹かれた。
焦点の絞り方が巧みで、読み手の想像をかき立てる。(麗加)
ビー玉のひと粒の泡春浅し      香奈子 
互選で人気のあった句をご紹介します。
掃き終へて春待つ庭となりにけり  麗加
公園で遊ぶ約束して卒園       あき子


次回の締切は6月5日ですので、
どうぞよろしくお願いいたします。

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インターネット句会 | 10:01:14 | トラックバック(0) | コメント(0)
第42回インターネット句会(2018年2月)
2月のインターネット句会の結果です。
今回は、15名参加で投句数は128句でした。

井出野浩貴選
特選句

続々と離陸着陸旅始       麗加
ふらここを漕げば漕ぎ方思ひだす 麗加
一瞬の黙雪女郎過りたり     林檎
着ぶくれて取り出す古文単語帳  真理子 
的を射ぬ電話相談春寒し     ゆかり
入選句
寒月やわが胸中に鬼眠り       林檎
どんど火を背ナに一献漢どち     依子
スキー靴履けばロボットめきにけり  真理子   
靴の跡より冬草の立ち上がる     栄子
完璧な三つ折り紙幣お年玉      麻美
カフェ一歩出づや雪女郎に戻る    林檎 
火の粉追ふ火の粉どんどの火の猛り  依子  

上句から下句まで三回、
畳みかけるように火の粉が出てきて、
最後は猛りだという。
どんどの勢いがよく表れていると思いました。(ひより)
寒柝の母の一打の遅れがち      志奈   
緊張のレッスン室に悴みぬ      あき子
兄笑ふから笑ひたる初笑ひ      味千代
炬燵より顔出し小言聞いてをり    志奈 
ゆつくりと歩む参道寒日和      真理子
甍より光放たれ冬青空        志奈
病棟の絵画真直ぐ春寒し       ゆかり
鬼やらひ老いたる父の声響き     睡
冬深し寝入りたる子を抱きかかへ   章子

寝てしまった子を運んだのも懐かしい思い出。
あっという間に子は重くなり、途中で落としたり、ずり落ちたり、
起こすしかなくなる重さはすぐにやってきます。
運ぶの重いでしょうけれど可愛くて羨ましいです。
ママ頑張って!!(紀子)
そつくりの姉と妹あたたかし     栄子
江の奥の家に眠りて霜の声      依子
受験番号見つけ巷の音戻る      麻美

合格発表の紙が張り出され、人だかりの中、
受験番号を見つけるまでの緊張と、
見つけてからのほっとした様子が伝わってきます。(あき子)
春浅し色とりどりの豆カレー     麗加    
木々や花々は眠り半ば。まだ何色にも染まっていない早春の自然界。
そんな時期だからこそ、白いお皿の上の豆の色が
ひときわ目をひいたのでしょう。(香奈子)
スキーバス降りて他人に戻りけり   真理子
同じ目的で同じ場所にいたバスの同乗者たちには
ひそかな連帯感が確かに存在していた。
しかし終着場所に到着し、バスを下車した途端に
各々は帰宅へ向けての行動を黙々と始めるのだ。
そして挨拶も何もなくその場を立ち去って行く。(麻美)

互選で人気のあった句をご紹介します。
「禁酒」の字少々曲がる筆始     志奈
寄せ書きのペンのいろいろ浅き春   ゆかり
「ゆうき」てふ筆跡しかと春を待つ  真理子


次回の締切は4月5日です。
みなさんの参加をお待ちしています。

インターネット句会 | 22:21:50 | トラックバック(0) | コメント(0)
第41回インターネット句会(2017年12月)
インターネット句会のご報告です。
今年の納め句座となった今回の参加は15名、投句は129句でした。

井出野浩貴選
特選句

三軒を巡りいつもの日記買ふ       林檎
この庭に祖父の面影枇杷の花       栄子
足組んで派手な靴下十二月        麗加
美術館経由甘味屋文化の日        志奈
冬の日や土手をころころ女の子      栄子

入選句
初霜や子を負ふ夫を送り出し       味千代

冬の朝は、働く夫婦にとっては、暗く寒いうちから家事に仕事に動き出し、忙しい。夫婦で協力し合い、保育園に子を送り出しする今朝の夫を詠んだ句か。(礼美)
猫去つて毛布に残る窪みかな       ゆかり
マスクして語気の鋭さ衰へず       林檎
銀杏落葉渡り廊下に踊り場に       栄子 
寒禽のひと鳴きしては飛び立てり     真理子
吸ひ終はり顎のマスクをちょんと上ぐ   麻美     
寒風や双子は固く手をつなぎ       麗加 
 
普通の兄弟姉妹よりも強い絆を持つであろう双子。寒風の吹く今日は一層寄り添って身体も心も温め合うのでしょう。(香奈子)
寒鰤の並ぶ競り場よ五百本        ゆかり
冬田道忘れ物よと声響き        礼美   
人前に出るのは苦手石蕗の花       真理子
落葉踏むリュックサックを弾ませて    林檎
話し声少し大きく冬田道         礼美

冬になると、体に力が入って声が大きくなるということがある。あるいは冬田道の開放感から、話し声が自然に大きくなったという気持ちの良い経験かもしれない。私は、作者が会話から少し離れた所にいて、今日は話し声がよく聞こえるという気づきを句にしたのではないかと思った。遮るもののない冬田は、他愛ない会話さえも露わにしてしまうのだと思うと面白い。(栄子)
溶くるまで石に噛み付く霜柱       紅歳
冬ぬくし鈴カステラを二つ三つ      ゆかり

鈴カステラが大好きなんです。「冬ぬくし」になんだかほのかに甘い味を感じました。(味千代)
雪眩し吾子の瞳のうす茶色        麗加
煙草吸ふために枯芝横切りぬ       麻美   
水音や綿虫湧き出づるごとく       林檎
年の市人の波には逆らはず        ひより  
用二つ済ましたる間に煮凝れり      紀子
昃りて水底あらは冬の水         真理子

日陰の暗さを得て初めて気づいた水底の姿。これは体験がないと詠めない句なのではないだろうか。冬の水といえば「冬の水一枝の影も欺かず」がどうしても思い出され、ついつい水面にばかり注目してしまうが、作者はその奥にあるものを発見した。日陰によってあらはになるという構造が面白い。(林檎)

互選で人気のあった句です。
焼藷やこの世は天下泰平と       味千代
冬日さす美術教諭のエプロンに      栄子

来年の初句会は2月5日締切です。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

インターネット句会 | 23:33:50 | トラックバック(0) | コメント(0)
第40回インターネット句会(2017年10月)
早いもので、インターネット句会も今回で40回目です。
今回の参加は16名、138句が集まりました。

井出野浩貴選
特選句

爽やかや海へと続く坂翔けて    味千代
秋蝶も去りがたきかな子規の庭   真理子 
こほろぎや戸口に挟む回覧板    麗加
満月と差向ひたる観覧車       麗加
火恋しコルトレーンの息遣ひ     泉
入選句
宣誓の声の擦れて運動会      礼美

突き抜けるような青空のもとで行われた運動会。
選手宣誓が行われるのはプログラム最初の開会式。
競技がはじまる前で、生徒も先生も観客もまだ表情が硬い。
そんな中、代表の生徒はまさに晴れ舞台に立って宣誓をはじめるのだが、
過度の緊張で最初の一声が擦れてしまった。
声が擦れたというところにリアリティがあっていいと思った。(真理子)
新涼や触れ合うて鳴る牛乳瓶    麗加   
上野にも粧ふ山のありにけり     味千代
犬連れて母を待ちをる良夜かな   麻美
木犀の真只中に佇みぬ        泉 
文机の一輪挿しの鶏頭花      真理子
老いの手の記憶鮮やか豊の秋    ゆかり        
雨音の重くなりたり颱風圏      麗加     
白壁に椅子の影おき秋灯      泉
新米や天地をかへす釜の中     栄子

炊き上げたお米を杓文字でかえしている場面を想像しました。
それを「天地」と表現しているところが大らかですし、
また穀物を育てる自然の恵みまで感じることができます。
この新米を食べてみたいものです。(明日香)
大海の光もろとも秋刀魚焼く    志奈
やうやくに日の差して来し萩の庭  林檎
ゆるゆるとセスナ旋回秋の空    あき子  
この列は何の行列秋うらら     泉

何に並んでいるのかわからないがやたら長い行列を見かけた。
そこに加わるつもりはもちろんなく、
結局何の行列なのかにもあまり興味がない様子が「秋うらら」というに託されている。
作者は一瞬だけそれを思ってすぐさま吟行にでも行ったのであろう。(林檎)
おかはりの子に新米のてんこ盛り    栄子
島の子のヒップホップに月を待つ   依子
塩・砂糖小瓶に分けて秋思かな    明日香

微かな音を立てながら、さらさら流れ落ちる塩・砂糖。
何気ない家事のひとこまにも秋に想いを馳せる繊細な感受性を感じました。(香奈子)
ピストルの音に泣き出し運動会    麗加
このような思い出を句に残せる作者の環境が本当に羨ましいです。
幼稚園時代って当時は泣きたくなるくらい大変でしたが、
ピストルに泣くなんて今だけです。
羨ましくて頂いた一句です。(紀子)
竿自慢ばかりしてをり鯊日和    志奈 
「鯊」を釣るぐらいの気軽さゆえに、
釣りをしている人も本格的に釣りをというわけではなく、
趣味程度にまずはその格好をご機嫌に楽しんでいるという感じが、
竿自慢ばかりしているという表現でよくわかる。
季題がよくきいている。(依子)
港から港へ月に導かれ       依子
ややありて母の返事や十六夜    志奈


互選で人気の句もご紹介します。
円陣を離るる右手天高し        明日香
木犀や言葉にせねば消ゆるもの   泉
爽やかやエレベーターのすぐ来たる あき子
ライターのカチャリと開く虫の闇    栄子
赤ちゃんを連れし先生運動会    礼美


次回は12月5日締切です。
今年の納め句座となりますので、みなさんの参加をお待ちしています。

インターネット句会 | 22:45:10 | トラックバック(0) | コメント(0)
第39回インターネット句会(2017年8月)
第39回インターネット句会の結果をお知らせします。

井出野浩貴選
特選句

緑陰に雨の匂ひの残りをり       林檎
水馬正面衝突することも        真理子
潮の香の男乗り来る冷房車       林檎
叱りてもこの手離さず大夕焼      香奈子
夕涼み姉のやうなる先生と      栄子
入選句
トロ箱になかなか章魚の収まらず    志奈
波乗りのほとんど波を待つ時間     麻美

波乗りといえば、やはり華麗に波をこえてゆく姿を想像しますが、
そうではなく待っている時間に注目したのが面白いと思いました(明日香)
おむすびの転がる先を蟻の列      林檎
切り紙をそっと開くよ梅雨ごもり     ゆかり 

湿度の高い梅雨の時期、外で遊ぶこともできず、家で時間をつぶすしかない。
紙もなんとなく湿っているのでしょう。
チョキチョキきれいに切り込みを入れた紙を、
壊さないように静かにゆっくり開けている低学年くらいの子、
そして、料理をしながら見守る母。
窓につく雫は冷たいけれど、温かい情景が見えました(ひより)
朝風を孕みて羽織り夏衣         志奈
水馬恋に破れて裏返る          林檎
追ひ越して我を待ちたる蜻蛉かな    麗加
仏桑花一株残す更地かな        味千代
頑張れば頑張れさうな夏の風邪     麻美
解体の体育館の西日かな        ゆかり
神々のおはす大地や虹二重       味千代
幾度もキャンプのしをり読みにけり  ゆかり

キャンプを心待ちに楽しみにしている景が浮かぶ。
参加するのは子供だろうが、母も 持ち物に忘れ物はないか、
入念に何度も確認する親心にも重なって面白い(礼美)
聞きをれば無心になりぬ蟬時雨     真理子
海水着砂と一緒に脱がれある      麻美
どつしりと大暑の畜舎閑かなり      ひより

じりじりとした日差しの中、畜舎が横に伸びている。
周囲は青々と、蝉は喧騒して正に夏の盛りなのだが、
畜舎は外界に押しつぶされるように、閑かにそこにあるという状景。
大暑の景と、暗く閑かな畜舎の対比が鮮やかに浮かび上がってくる句だと感じた(栄子)
水馬二重の水輪作りては         真理子 
枝豆や他人の恋のつまらなく       依子    
仲見世の暮れて風鈴騒ぎそむ      林檎


互選で人気のあった句もご紹介します。
上向きの蛇口大暑へ迸り        志奈
かき氷食べて百面相の子よ       栄子
とんぼうの合掌しつつ死ぬるなり    麗加


次回の締切は10月5日です。
記念すべき(!?)第40回ですので、多数のみなさんの参加をお願いいたします。



インターネット句会 | 11:22:37 | トラックバック(0) | コメント(0)
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