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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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第51回インターネット句会特選句について
インターネット句会の特選句について、
青木あき子さんが鑑賞を書いてくださいました。

古戦場ぬるりと光る夏の川 優美子
「ぬるりと光る」で血が流れているイメージがした。
作者は、昔戦があった場所に佇み、時を超えて動乱の時代に生きた人々に想いを寄せている。
「夏草や兵共がゆめの跡(芭蕉)」の句を思い出す。
今はただ何もなかったかのように、とうとうと川が流れている。

この径は風の抜け径草いきれ   依子
夏草の醸し出す熱気と匂いの中、作者が歩く径は、時おり心地よい風が吹く。
草いきれが、風が吹くときにふっと途切れ、風が止めばまたすぐむんとした匂いがするのだろう。
「この径は 風の抜け径」という表現が詩的で口に出してみたくなる。

夏料理からんころんと運ばるる  林檎
「からんころん」の涼し気な音が印象に残る一句。
器に盛られた氷が奏でる音、もしくは給仕がはいている下駄の音なのだろうか。
「からんころん」の音が夏料理を引き立たせ、涼しさも運んでくる。

熱帯魚胸びれのほか使はざる   林檎
形も色も鮮やかで我々の目を楽しませてくれる熱帯魚。
作者は、熱帯魚の胸びれに注目した。
熱帯魚は動作も緩慢だが、よく見れば胸びれだけを絶え間なくせわしなく動かしている。
「胸びれ」に焦点を絞ってよく観察していると思った。

横顔が真正面なり熱帯魚  林檎
熱帯魚を絵に描くとしたら、身体の横側を描く。
魚を顔の正面からは描かないだろう。
熱帯魚は色彩や特徴のある形が面白いから、我々は常に横側をイメージしている。
そのことを「真正面」という言葉でとらえている。



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インターネット句会 | 09:32:58 | トラックバック(0) | コメント(0)
第51回インターネット句会(2019年8月)
第51回インターネット句会の報告です。
今回は16名参加、投句数140句でした。

井出野浩貴選
特選句

古戦場ぬるりと光る夏の川   優美子
この径は風の抜け径草いきれ   依子 
夏料理からんころんと運ばるる  林檎
熱帯魚胸びれのほか使はざる   林檎 
横顔が真正面なり熱帯魚    林檎 
入選句
昼頃に起き出でてくる跣かな  味千代
鮎飯や父にもありし笑ひ皺   優美子

厳格な父だったのでしょうか。あるいは疎遠だった父かもしれません。
その笑い皺に気づいた子の心境。
釜の中の鮎をほぐすがごとく打ち解けでもそれは少しほろ苦い鮎の味。
そんな親子の関係を思わせます。(睡)
白南風や引退の子のユニフォーム  ゆかり
容赦なく落とす胴上げ御田祭   麗加 
熱帯魚存外地味な顔をして     真理子
冷製パスタ角切りトマト主役なる  麻美
揚花火母にもたれてまどろめる  香奈子
鮎の腸知命楽しいかもしれぬ   林檎
蚊遺火や一人暮らしの独り言    志奈
手伝へぬ遠き故郷の盆支度   香奈子
言ひ訳が大人びてきし晩夏かな   志奈

大人になると、その成長はなかなか計りがたいものがあるが、子供の頃というのは、たったひと夏の間にも随分と成長をみせる。
この句も、言い訳が大人びて来たなというところに、子の精神面での成長を感じているのだが、それを受け止める季語が「晩夏」というところが、まったくほんのひと夏の間に・・・というところを強調している。(依子)
炎天やタイルの目地のやや離れ  転児
青空を飛び翔るごと鱏泳ぐ   真理子
箱河豚の鰭忙しなく夏休   実可子

さかなクンでお馴染みの箱河豚。
水族館だろうか、愛嬌のあるスタイルで懸命に前進している様子がわかる。河
豚は冬であるが、箱河豚のかわいさに惹かれた。 (ゆかり)
軽トラが櫓となりぬ盆踊  睡
上五中七から、この里の雰囲気が伝わる。
のどかな田舎の風景。(麗加)
靴下の跡のつきたる日焼の子   礼美
一声のしてたちまちに蝉時雨   志奈

確かにこの句のような蝉時雨を聞いたことがあります。
さきがけの蝉の声のあと、わき上がってくるような蝉時雨。
「たちまちに蝉時雨」ということで時間の短さと迫力が伝わってきます。(あき子)
初蝉はあのあたりかと目を凝らす  あき子
鯉の背に日の輪張りつく旱梅雨   麗加    
瞼にも汗やまばたき二度三度   真理子
尖りたる土偶の乳房南風吹く   麗加 

乳房を尖らせた土偶の原始的な力強さと、
南風吹くという豊かな自然を感じる季語の取り合わせが素晴らしいと思いました。(志奈)
存分に汗かいて食ふカレーかな  栄子
憧れは普通の暮らし胡瓜揉む   依子
力こめスタンプ押す子夏旺ん    真理子


互選で人気のあった句をご紹介します。
六畳に我が物顔の浮き輪かな     味千代
皆海へ足を向け寝る砂日傘     志奈
重心の掌に定まらぬ西瓜玉     実可子
ごきぶりを見ても打つても独りかな   優美子
親友とポテトチップス青田波     味千代


次回は10月5日締め切りです。
みなさんの参加をお待ちしています。

インターネット句会 | 22:13:12 | トラックバック(0) | コメント(0)
第50回インターネット句会特選句について
先日のインターネット句会の特選句について、田中優美子さんが鑑賞を書いてくださいました。

獣道めく道抜けて夏館  林檎
「獣道めく道」であるから、完全な獣道ではない。
しかし、人の手の入っていなさそうな、なんとなく進むのをためらってしまうような、そんな道が思い浮かぶ。
そこを抜けた先にあった屋敷は、草木生い茂る道とはうって変わって、清々しい情趣を持っているのだろう。
勇気を出して踏み入った先で思わぬ宝物に出会った高揚感と、自然に囲まれた夏館の清涼感を味わえる一句。
どこか冒険心も刺激され、まさに夏にぴったりという読後感である。

白あやめ人は聲より忘れゆく  睡
誰かを亡くしたとき、人はまずその声を思い出せなくなるという。
たしかに、視覚的な記憶を脳裏に描くことはまだ容易いが、声を再生することは、年月が経つほど難しい。
日常的に聞いた声が思い出せない、そのことによって、よりその存在がもういないことを実感するのだろう。
「聲」は「声」の旧字体で、意味は同じだがより心情的な重みが加わる表現だと思う。
この句には、声より忘れゆくことは知りながらも、まだ自分は思い出せる、忘れたくないと言い聞かせているような切々とした思いも感じた。
そんな切なさを季語「白あやめ」が静かに受け止めている。

鞆の浦五月の鳶の弧の中に  転児
言わずと知れた景勝地ほど、自分の感動を美しく印象的に詠むのは難しい。
しかしこの句は、それに見事に成功していると思った。
きらめく鞆の浦の海面が、鳶がくるりと描いた弧の中にあるという空間の切り取り方があまりに鮮やかで、海と空の青さ、鳶の翼の力強さが目に飛び込み、五月の風が軽やかに胸に吹き込む。
鳶には海や空や人は、どんなふうに見えるのだろうか。
どこまでも想像が膨らみ、初夏のうきうきとした気分が満ち満ちてくる一句。

夜気吸つて錆びゆく泰山木の花  林檎
白く、大輪の泰山木の花は、どことなくミステリアスで、昼よりも夜が似合う気がする。
つややかな花弁は、夜を経るごとに朽ちていく。
「錆びゆく」という表現からは、はじめ少しもの悲しい印象も受ける。
しかし、花びらが夜気を吸って少しずつ、少しずつ重さを増すように古びていく様子は、朽ちていくこともまた美しいのだという発見をくれる。
しっとりと夜が更けるたび、花の姿も変わっていく。
その時間の経過も愛しく思わせるような、深みを持つ句だと思う。

灯台のひときは白く梅雨けぶる  麗加
雨にけぶる視界のなかで、白い灯台がいっそう白く際立っている。
雨に紛れ、掻き消されてしまってもおかしくないのに、その白さは、いつもよりもっと鮮明なのである。
そのことに、灯台が船の目印となるために建てられたことを改めて感じさせられる。
視界もままならないこの雨の中、ひときわ白く、揺るぎなくそびえる灯台には、安心感も覚える。
不安定な天候に引きずられて心も落ち着かない梅雨の時期に、ひとつの拠り所を見つけたような気持ちになる一句。


インターネット句会 | 18:50:36 | トラックバック(0) | コメント(0)
第50回インターネット句会(2019年6月)
インターネット句会も今月で50回となりました。
これもみなさまのご協力のおかげです。ありがとうございます。
では、今回の結果を報告します。

井出野浩貴選
特選句

獣道めく道抜けて夏館        林檎
白あやめ人は聲より忘れゆく     睡 
鞆の浦五月の鳶の弧の中に      転児
夜気吸つて錆びゆく泰山木の花    林檎
灯台のひときは白く梅雨けぶる    麗加
入選句
薫風や夫にまかする卵焼き      香奈子
母の日も母怒らせてしまひけり    依子

母の日くらいは何か喜ばせることを…と思いつつ素直になれず結局はいつも通りの展開に。本
音で話せる家族だからこその皮肉だが、母の日に何かしてあげたいという背景があるからこそのドラマなのだ。(林檎)
敷石の片隅濡らしなめくぢり     林檎  
しやがみこみ蟻の道見てゐるばかり  真理子  
黒揚羽われに構はず蜜吸へる     栄利子
子らを待つ移動図書館夏来る     栄子
万緑や弓道部員声出して       真理子
出番待つ弓道場の枇杷たわわ     礼美
末つ子の乳離れ夏の兆しけり     実可子
送り出す修学旅行麦青む       ゆかり
葉桜や実らぬままがよき恋も     優美子
桜蘂降る公園の三輪車        実可子 
夕焼も積荷のひとつ帰港船      麗加

一読して港の空と海が真っ赤に染まる景色が鮮やかに目に浮かんだ。
そんな壮大な夕焼すら、「積荷のひとつ」なのだという表現から、これまでの長い船旅も思い起こさせる、広がりのある句だと感じた。(優美子)
新緑にすつぽりと包まれてゐる    あき子
蔦茂る縁切寺に絵馬ふくれ      林檎

悪縁を断ち切りたい人の願いと絡まり茂る青い蔦。
いつの世も続く縁切と、蔦の美しさの対比。 (ゆかり)
靴四散靴下四散水遊び        麗加 
献灯のひとつの潤み梅雨の月     志奈
子のサイズ一足飛びに更衣     栄子
オカリナの穴より洩るる風みどり  依子  
香水の香りふはりと帰国せる    味千代  
初めての生き物係夏兆す      香奈子
マネキンの唇光る街薄暑      礼美 

最近ではだいぶ様変わりしたようだが、ショーウィンドウの中のマネキンは無表情のような、何ともはかりにくい表情をしているように思う。
その眼差しは少し眩しげで、ふっと力を抜くように唇を少し開けかけている印象だ。
日差しを受けたマネキンの表情と街薄暑という季語がとても合っていると感じた一句。(栄子)
頬伝ふ汗そのままにチェロ弾きぬ  依子
ランナーの一団過ぎし草いきれ   麗加 


互選で人気のあった句もご紹介します。
麦茶干し親子喧嘩を再開す     優美子
なめくぢりついに石碑に上り詰め   礼美
理髪所のサインポールや夏燕    実可子
長靴を片方とられ田植の子     麗加


次回の締切は8月5日ですので、よろしくお願いいたします。

インターネット句会 | 10:32:07 | トラックバック(0) | コメント(0)
第49回インターネット句会(2019年4月)
今月のインターネット句会の結果です。
今回の参加は17名、投句は144句でした。

井出野浩貴選
特選句

真つ白な自由帳にも桜散る    林檎
卒業や付箋ばかりの参考書     志奈
春濤の島のあはひを押し寄せ来   依子
花吹雪抜けてくるなり郵便夫    真理子
灯ともりて桜瑞々しくなりぬ     林檎
入選句
蕗味噌や互ひの郷の話など      睡 
ブロマイド並べ射的屋花の昼     真理子
子をおぶひ屈める先の木の芽かな   実可子
花冷や梢の鴉かしこまり      林檎
特急は光の中へ春休み      栄子
深呼吸しろつめ草の海の中    香奈子
歌声にギターケースに桜散る     礼美
入学のつぼみのごとき拳かな    章子
へらへらと付属高校入学式      麻美
レコードに針を落としぬ花疲れ    志奈 
そら色の合同句集さくら時         ゆかり
日の差せばひたとやみたり飛花落花  真理子
囀や弁財天をうるほせば          林檎
あの頃の夢拙くてフリージア     栄子
母となり読む小公女うららけし     香奈子
降り立ちて島にまみえし初桜      依子
春潮にあらはれ貝の真白なる      依子
お迎へはいらぬと言はれ鳥雲に    転児
霾や赤フレームの眼鏡選り        味千代
うららかや島のパン屋に子の並び    睡 

島という社会において、今はどこも高齢・過疎化が問題になっている。春
のうららかな日、パン屋に子ども達が並んでいる光景には未来形の幸福がある。
うららかと子らと、ら音が多く重ねられているのも効果的。(依子)
春休み靴に残りし白砂も      栄利子 
花冷や火葬炉閉づる音硬く     志奈

桜咲く頃の葬儀。
火葬炉の中は熱いのですが、外で待つ私たちは寒さを感じるばかりです。
花冷が悲しみを倍増させます。(林檎)
この島は逝く人ばかり春怒濤     依子
幾つものひらがな描きさくら散る    紅歳

花の散る軌跡をひらがなと見る着眼点。
優しい心になれる、当たりの良い人であろうと思えました。(転児)
陽炎に溶け込みさうな乳母車     あき子
地球儀を回してみたり春うれひ     依子
すべり台並んで待つ子花の昼     真理子  
あたたかや子の蹠のふつくらと     あき子
大空を地に引寄せて犬ふぐり      栄子

大空の青と、犬ふぐりの青がリンクして、小さな犬ふぐりの方へ引き寄せられるというダイナミックな動きが感じられます。(章子)

互選で人気の句をご紹介します。
大勢の孤独集まり花の夜     林檎
大甍より春風の転がり来     栄子
水筒の傾きて立つ春の草     志奈


次回の締め切りは6月5日です。
どうぞよろしくお願いいたします。

インターネット句会 | 23:32:10 | トラックバック(0) | コメント(0)
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