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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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第38回インターネット句会の特選句について
今回の特選句の鑑賞は冨士原志奈さんが書いてくださいました。
どうもありがとうございました。

利かん気のどんどん帰る夕立かな   礼美
利かん気の子供たちは、「もう帰る時間よ」などと親に言われても、
なかなか言う事を聞かずに、まだまだ遊ぼうとするのでしょう。
ところが、あっという間に空が黒くなり、激しい雷雨となる天気の急変ぶりに
さすがの利かん気の子供たちもどんどん帰らざるを得ない状況。
夕立の激しさが引き立つ一句です。

螢火の瞬くたびに遠くなる       泉
螢を捕まえようとしても、すーっと逃げてしまうため、
瞬くたびに遠くなるというのは実景なのでしょう。
しかし、螢は恋を連想させ、また、螢に人生のはかなさを重ねて多くの句が詠まれてきました。
この句も、螢に恋を重ねて読むと、昔の恋を思い出して切なくなりますし、
人生のはかなさを重ねると、亡くなった親族や友人の顔がすうーっと遠くなるようです。
読み手の想像をかきたてる句ですね。

遠足の列の後ろがこぼれがち      あき子
これは本当に楽しい句ですね。
私は、遠足のときには最後尾が好きで、
列の後ろでこぼれがちに友達と歩き、よく先生に急かされました。
子供心のあふれた、明るい一句です。

うぐひすの出だしばかりを歌ひをり   麗加 
この鶯は、まだ練習途中なのでしょうか。
春になったばかりの頃は、「ホーホケキョ」ときれいに啼けない鶯が多いですよね。
「うぐひす」いえば、鳴き声の美しさが詠まれますが、
そのためには啼き始めの頃の練習が活きているのかもしれません。
鳴き声の美しい鶯だからこその一句。

炎天や何度も探す現在地        泉
私達は、地図で目的地を確認するときに、必ず現在地を確認しますよね。
作者は、炎天の中、目的の場所へ向かおうとして、
途中、途中にある、道案内の地図を見ては、「現在地」という表示を探しているのかもしれません。
本来、「目的地」はどこだろうと探すのに、「現在地」が分からなければ、目的地へたどり着けない。
そのために「目的地」を探す、というレトリックが面白いです。
また、この句も、私達がふと見失いそうな、人生の中での「現在地」を何度も探している、
と読んでもおもしろいかもしれませんね。
この読み方をすると、「炎天」のように人生で厳しいときほど「現在地」を探すともいえ、
深い句意と思いました。



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インターネット句会 | 06:35:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
第38回インターネット句会(2017年6月)
今月のインターネット句会の結果をお知らせします。
投句者15名、125句と少なめでしたが、なかなかの佳句が出そろいました。

井出野浩貴選
特選句

利かん気のどんどん帰る夕立かな   礼美
螢火の瞬くたびに遠くなる       泉
遠足の列の後ろがこぼれがち      あき子
うぐひすの出だしばかりを歌ひをり   麗加 
炎天や何度も探す現在地        泉
入選句
緑陰をふいと飛び出す鴉かな      林檎
夕立あと路地にチョークの文字残り  礼美   
黒髪のほのかに蒼む梅雨入かな    香奈子

湿度が高くなる梅雨に、黒髪の湿っぽい匂いと、艶に反射する青紫色の花も見えるようです。(ひより)    
蔦茂るカラオケパブの古庇       林檎
ハンモック吊られ学生寮の庭      麻美
アルトサックス音色ひときは街薄暑  真理子
夏蝶や墓碑銘のまだ新しく        志奈
追ひかけて追ひかけらるるプールかな 礼美
えごの花時計の針の動かざる      志奈

えごが可憐な花を咲かせる初夏、ふいに止まってしまった時計。
初夏の静かなひと時が風景画のように浮かびました。(香奈子)
緑陰やシャッター切れば欠伸して    林檎
水門へ水まつすぐに青芒         栄子
辻褄の合はぬ話やソーダ水       志奈

ソーダ水を飲みながらじっと聴き入っている話。
でもアルコールではないので、やはりどこか冷静に聴いてしまっていると、
なんだか辻褄の合わない話だな…とは、作者の心の声。(依子)
一切の音吸ひこんで夜の新樹      泉
ハンモック置き所なき両の腕       麻美
叱る声路地に洩れくる薄暑かな      真理子    
客降ろす車夫の額に汗しとど      志奈
芋虫の渡る湾岸道路かな        ゆかり
母の日を忘れてゐてもいいんだよ   ひより
最後には取り繕へず心太         志奈
はいとしか言はぬ生徒の玉の汗     麻美

クラブ活動中の生徒が、指導者の言葉を真剣なまなざしで聞いている様子を想像した。
「はいとしか言はぬ」、まだ中学生くらいの年頃だろうか。
玉の汗から、生徒の真剣さが痛々しいまでに伝わってきて、胸を突かれた。(麗加)
日焼け子の納得行かぬ目つきかな   礼美

互選で人気のあった句です。
旋律のやうな文体若葉雨        泉
母の日や似顔絵の我朗らかに     麗加
ハンモック吊られ学生寮の庭     麻美
遠足の列のくの字に坂のぼる     あき子


次回は8月ですので、よろしくお願いいたします。

インターネット句会 | 10:31:44 | トラックバック(0) | コメント(0)
第37回インターネット句会特選句について
4月のインターネット句会の特選句について、鏡味味千代さんが鑑賞を寄せてくださいました。

一斉に顔をめがけてしやぼん玉    麗加
まるで顔に全部が飛んできたように思えるくらいの沢山のシャボン玉を吹いたのだろうか。
きゃーきゃーとはしゃぐ子供達の声まで聞こえそうな句。

もじもじの隣あたふた新入生     紀子
小学校の入学式の様子だろうか。初めての学校、初めての友達、初めての教室。
不安もいっぱいだけれど、ワクワクも感じる。
「もじもじ」と「あたふた」と、擬音を上手く使った一句。

花冷や草の匂ひの粉薬        泉
なんだか魔女の妙薬のような粉薬。
花冷の季語とあいまって、ファンタジーのような世界が広がる。

蕗味噌や厨に近き母の椅子      栄子
お母さんは忙しい。
ご飯の時でさえ、お代わりに立ったり、温めていたおかずを取りに行ったり、子供がこぼした物を拭いたりと、ゆっくり食べる暇もない。
だから台所に一番近い所がお母さんの席だ。
これは日本だけではないようで、フランスでホームステイをした折、フランスのホストマザーの席も厨に近い席だった。
フランスでは家庭の食事もコースで出るので、お母さんはやはり大忙し。
そしてそのことが、異国での食卓についた私を少しほっとさせた。

花衣脱げはさらさらみづの音     明日香
おめかしの着物。上質な絹の、少し冷やっとする肌触りを、まるで手に取るように感じる。
音で触感まで表現しているのが上手だな、と思った。
また花衣を纏った浮き立つ気持ちと、でもやはり脱いだ時のホッとする感じ。
そんなことも感じる句。




インターネット句会 | 20:29:14 | トラックバック(0) | コメント(0)
第37回インターネット句会(2017年4月)
インターネット句会の結果をご報告します。
今回は参加17名で、152句の投句がありました。

井出野浩貴選
特選句

一斉に顔をめがけてしやぼん玉    麗加
もじもじの隣あたふた新入生      紀子
花冷や草の匂ひの粉薬         泉
蕗味噌や厨に近き母の椅子      栄子
花衣脱げはさらさらみづの音      明日香

入選句
東京の隙間に萠ゆる蓬かな      味千代

ビルとビルの間の僅かな空間を占領している蓬、無機質なコンクリートとアスファルトの街にも自然の生命の躍動感を感じました。また、埃っぽい臭いにまざって、草の良い香りが漂ってくるようです。(ひより)
この家のポスト満杯花ミモザ     栄子
ブティックに寄席のポスター風光る  真理子
春寒や旧家の廊下軋みたる      ゆかり
父一人離れて座る花見かな      礼美

昭和のお父さんというイメージだ。家族と一緒に居るひと時もどこかつかみどころがなく、仕事のことを考えているのか、何らかの感慨にふけっているのか、もしかしたら桜にまつわる記憶を辿っているのだろうか。単に団欒の中にいるのが照れくさいのかもしれないが…。そんな父を気にかけている作者の位置まで見えてくるような、再現力を感じた句。(栄子)
清明や少女のひたひ大らかに     麗加
春の草子の自転車について行く    礼美
青饅や晩年はまだ先のこと       栄子
雛納太陰暦にしたがひて        紀子
いつの間にいつもの道に初桜     香奈子
入学の少年選ぶペンケース       ゆかり
手触りはいかにと思ふ蝌蚪の紐    真理子
夜桜となりてますますしだれをり    林檎

背景が闇になると、桜も、重力に対して昼間以上に気怠く感じるのかもしれません。(麻美)
時計台振り返りみて卒業す       泉
草野球外野に蝶のまた来たる      紀子

草野球の、しかも、あまりボールも届いてこない外野ののどかな景色の中に、蝶がまた来るという、穏やかでのんびりとした気持ちよさを感じました。(志奈)
花曇鉄の匂ひのたなごころ       林檎
雨戸繰る音聞こえきし朝寝かな     礼美
新社員部署名言ふもたどたどし     林檎
死ぬるため砂吐かさるる浅蜊かな   志奈

こんな浅蜊の句は珍しいと思ってすぐ取ってしまいました。「死ぬために」ですと若干説明的なので「死ぬための」の方が私はよいかと思いましたが、確かに、と納得しました。食べるために砂を吐かせるという、人間のエゴイズムを感じました。(明日香)
そののちの旅人気分春ショール      依子
清明や水筒の水分け合ひぬ        栄子
春燈や青インク選りガラスペン       泉
さくら咲く嬰はこぶしをしやぶりをり    麗加
背番号もらへぬ子にも若葉風       香奈子
馬跳びの父の背中や蓮華草        麗加


互選で人気のあった句です。
仲直りせぬまま春の星となり         香奈子
麗らかやアップルパイの焼き上がり     あき子


次回は6月ですので、よろしくお願いいたします。

インターネット句会 | 22:38:56 | トラックバック(0) | コメント(0)
第36回インターネット句会特選句について
今回は、青木あき子さんが鑑賞を書いてくださいました。

見返り坂見送り坂春遠からじ 泉
東大前にある本郷通りは緩やかな坂になっている。
六百年前、人が江戸から追放された場所で、親類縁者が追放される人を見送り、追放される人は送る人々を振り返り見たところから、見送り坂・見返り坂と言われたそう。
見送るもの、見送られるもの、様々な人生が行き交ったことだろう。作者はその場所に立っている。追放される人たちは再び会うことはないだろうが、それでも季節は巡って春がやってこようとしている。
作者は春を感じる坂に立ち、遠い昔の人々のせつない気持ちを思いやっている。

鬼ごつこマフラーかなぐり捨てし子よ 麗加
寒い冬でも外で元気に走り回る子どもが目に見えるようだ。声も聞こえてくる。
頬を紅く染め上げ、鬼ごっこをはじめてから間もなく、熱くなってマフラーをえいっとばかりに潔く取り去った瞬間を捉えている。
作者はその潔さ、迷いのなさ、子どもにみなぎる生命力を受け止め、見守っている。
そしてその子のこれからの健やかな成長を祈り、期待している。勢いがある一句。

めがね押し上ぐる指先春浅き 林檎
めがねを押し上げる指先・・・眼鏡のふちをつまんで押し上げたのか、レンズとレンズの境目を人差し指で押し上げたのか。
その指はごつごつしている指かすらりとしている指か。鏡の前に立っていろいろ想像してしまった。
眼鏡を押し上げるという動作にこれからやってくる春の気配が感じられる。
指先の動きに春を感ずる作者の鋭い感性が光る一句。

迷ふのも楽しきバレンタインデー 優美子
バレンタインデー。チョコレート選び。デパ地下や有名店では女性客が列を作ってチョコレートを買い求める。
彩り、味、形、値段、どれにしようかあれこれ迷ってしまう。
これもかわいい、あれもステキ。これはあの人に渡そうか。
バレンタインデーの女性ならではの楽しみ方だ。

袋綴頁ざくざく開けて春 泉
雑誌などに付いている袋とじのページ。早く開けたい、気になるページ。
そんな袋とじをカッターできれいに切るのではなく、はさみか指でざくざく開けた。
袋とじの中の「春」を早く見たいという、作者のはやる気持ちが表れている。
早く「春」になってほしい。「春」を待ち望む期待感にあふれている。
句を口に出すと、「春」がぽんっと出てきたような面白さもある。


インターネット句会 | 23:28:01 | トラックバック(0) | コメント(0)
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