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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんへ引き継がれ、2021年1月から松枝真理子さんへ引き継がれますが、変わらず毎月(原則)第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、毎月インターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。
合同句集『海へ』刊行 Amazonでお求めいただけます。

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第60回インターネット句会(2021年1月)
2021年パラソル・インターネット句会初句会の結果です。
今年から毎月開催、1回5句投句となり、今回は18名90句となりました。

松枝真理子選
特選句

風花や駱駝は睫毛なびかせて 哲二
万両や紙垂の折り目の新しき 航平
答案の束の重みや雪催 千穂
訥々と常のごとくに話初 哲二
病院に星降る版画クリスマス 栄子


入選句
盤上を跳ねる駒音年新た ゆかり

軽快な駒音が、新年を迎えたおめでたい気分と重なります。(味千代)
丁寧にメモをとりけり初仕事 礼美
新しき靴下履いてお元日 礼美
ネクタイは深海の色クリスマス 実可子
帯揚をふはりと結ぶ春着かな 千晴
叱られし子のもぐりこむ炬燵かな 礼美
末の子のまづ崩したる聖菓かな 実可子

クリスマスのデコレーションケーキですね。「まづ」の一言で、真っ先にフォークを突き立てる大胆な末っ子だけでなく、崩すのがもったいなくてどこから食べるか迷う慎重派の上の子の姿も浮かんできます。(千穂)
ページ繰る手の止まりけり夜半の冬 優美子
石鹸の泡のなないろ小六月 味千代

日常のありふれた場面の、温かく輝くようなひとときが美しく切り取られている。同時に、石鹸がコロナ禍を連想させるところが、今年を象徴しているのが奥深い。(栄利子)
ボタン付け全て終へたり小晦日 哲二
湯どうふや三日坊主は母ゆづり 香奈子
きつぱりとマニュキア落とし煤払 章子
父の声やや上擦りし初電話 睡

コロナ禍で、なかなか会えない状況での電話。うれしさが痛いほど伝わってくるのだろうと思う。(章子)
おほかたは走り書きなり古日記 章子
丁寧に書いていた日記も、年が押しつまり走り書きばかり‥12月の忙しなさがよく分かる。(あき子)

互選で人気のあった句です。
初寄席の簪のよく揺るるなり 林檎
自分の前に座っている女性は春着の和装なのだろう。正月らしい淑気のある演芸場を思い浮かべた。(麻美)
一人又一人と寝かせ賀状書く 実可子
礼ばかり言ひたる仕事納めかな 航平
いちまいの青となりたる初御空 哲二
湯に放る柚子の自転と公転や 栄利子
霜の声最後の客を見送りて 依子

最後の客を送り出した後、何かしらの寂しさや不安が押し寄せてきたことを「霜の声」が語っています。(林檎)

次回のパラソルインターネット句会の締切は2月5日です。
よろしくお願いいたします。

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インターネット句会 | 12:07:19 | トラックバック(0) | コメント(0)
第59回インターネット句会特選句を読む
日本海側は大雪、そして太平洋側も急激に厳しい寒さとなりました。
体調を崩さないよう温かくして過ごしたいですね。

さて、インターネット句会の特選句を飯干ゆかりさんが鑑賞してくださいました。


白髪抜く痛み勤労感謝の日 航平
白髪が少し気になりだす年代だろうか。
すでに染めていては、いちいち抜いてはいられない。
頭皮にチクリと残る痛みと、誰かのために働けることに感謝して。
コロナ禍において、なおさら感じさせられる一句。

新しき日々平らなれ日記買ふ 林檎
「新しい生活様式」からの歳月の流れ。
去年の今頃は、と子どもの行事を振り返っては、時間を錯覚してしまう。
コロナの前と後。過去を振り返っても、それでも新しい年はやってくる。
新しき年こそ毎日が平穏でありますように。
「日記買ふ」の季語がよく効いて、作者の思いが伝わる一句。

たばこ屋の鋭角冬の来たりけり 実可子
町のたばこ屋さん。
昭和のレトロな風景を思い浮かべてみる。
店番はおばあちゃん。赤い看板。
そのたばこ屋の角を曲がればどんな風景だろうか。
頬にふれる風が冬の匂いになっている。

片足で猫撫でてやる掘炬燵 麻美
猫は暖かい場所をよく知っている。
そしてすり寄ってくることもあれば、そうでもないときも。
炬燵の中で猫に触れた作者。
そう、片足で撫でるくらいがちょうどよい。
そして幸せな時間を感じている。

夫を子を見送る窓に小鳥来る 栄子
出社する夫、それから登校する子ども。
「行ってきます」と「ただいま」。その日々の積み重ね。
そして季節は移ろい、小鳥がやって来た。
この小鳥はどこから渡ってきたのだろう。
家族を見送る作者の安堵が伝わってくる。



インターネット句会 | 19:54:51 | トラックバック(0) | コメント(0)
第59回インターネット句会(2020年12月)

12月のインターネット句会の結果です。
17名が投句、句数は162句でした。

井出野浩貴選
特選句

白髪抜く痛み勤労感謝の日 航平
新しき日々平らなれ日記買ふ 林檎
たばこ屋の鋭角冬の来たりけり 実可子
片足で猫撫でてやる掘炬燵 麻美
夫を子を見送る窓に小鳥来る 栄子



入選句
亡き人に来る誕生日室の花 優美子
作者にとって大切な人なのだろう。故人と誕生日のコントラストが面白い。(栄利子)
先日寺山修司の誕生日祝いのイベントがあり、故人の誕生日にしみじみとしたので、この句に共感。室の花が故人への仏花でもあり、故人そのもののようにも見えてくる。(由果)
ばいばいをすればどんぐり転げ落つ 栄子
両耳に食ひついてくる寒さかな 林檎

食いついてくるという表現がおもしろい。寒さに食べられそう! (あき子)
暖かいところから外へ扉の開くやいなや「寒っ」となる瞬間を、寒さが両耳に食いついてくるとは、実にユニークな表現。 (依子)
母に手をひかれ落葉を手放さず 林檎
2,3歳の子ですね。拾った落ち葉も宝物。必死な目つきまで目にみえるようです。 (味千代)
一望の小さき港や寒灯 依子
海からの風に磨かれ実南天 依子
黄落や保育士の声よく響き 睡
根深汁よそひ妙案浮かびけり 千晴

嗅覚がふいに何かの記憶や感情を呼び起こすことは良くある。根深汁の深い香りが漂って来るように感じた。 (香奈子)
草紅葉葉脈先に紅くなり あき子
大槻の木の葉天から降つてくる あき子
通学の子らのをののく案山子かな 栄子
小男の肩に跳ねたるインバネス 味千代
出勤の巫女の頬紅冬はじめ 優美子
図書館地下ホールの寄席に年惜しむ 林檎
枇杷咲くやアパート全戸灯ともらず 林檎


互選で人気のあった句です。
幼子の豊かな寝ぐせ冬ぬくし 実可子
休日のマスクに花の刺繍かな 栄子
落葉踏むポメラニアンの重さかな 睡
相槌を忘れ熱燗注ぎ忘れ 航平
星鮫よ僕も背中に詩があれば 航平


次回(2021年)より毎月の開催となります。
次回のパラソルインターネット句会初句会の締切は1月5日です。
よろしくお願いいたします。



インターネット句会 | 21:24:20 | トラックバック(0) | コメント(0)
締切は5日です
来週はもう師走。少しずつ寒さが強まり、冬を実感するようになってきましたね。

12月のインターネット句会の受付を開始しました。
締切は5日です。
よろしくお願いいたします。


インターネット句会 | 23:58:53 | トラックバック(0) | コメント(0)
第58回インターネット句会特選句を読む
この週末は10月とは思えないほどの冷え込みになりましたね。
インターネット句会の特選句を稲畑航平さんが鑑賞してくださいました。

アイロンを丁寧にかけ秋深し 優美子
秋が深まり寒くなってくると、アイロンをかけなければならない服が急に多くなります。そんな秋の深まりの象徴であるアイロンかけを楽しむように、あるいは長い夜を味わうように、いつもよりも丁寧にかける作者の季節を愛する心が心地よい一句。アイロンの熱が、ひんやりとした空気を際立たせていて、季語の立たせ方としても絶品だと思います。動詞「かけ」は不要なようでいて、リズムを整えるとともに、アイロンかけの丁寧さと夜の長さを絶妙に表現していると感じました。

十六夜や万物の線やはらかき 千晴
中秋の名月にくっきりと照らされていた様々なものが、十六夜にほんの少しだけ陰り、柔らかく、優しく感じる作者の感性に驚きました。「万物」としたことで、景が月に照らされている視界全て、さらには街全体にまで広がっており、表現の巧みさを感じます。また、「輪郭」でなく「線」としたことで、印象派の絵画のような、幻想的な景を思い浮かべられる効果が得られていると思います。

書き了へし入会届小鳥来る 実可子
暑い夏が終わり、新しい何かを始めたくなる秋。楽器教室、英会話、子供のスイミング…暑い夏から解放されて、新しい季節を楽しむという秋の季語の多くに通底する主題を、素直に控えめに詠む内容にとても惹かれました。入会届を書き終えて、ふと緊張から抜け出し、窓の外を見ると、小鳥が新しい生活を祝福するように鳴いています。山から、あるいは異国から降りてきて人里を賑やかにするという季語「小鳥来る」との取り合わせも素敵です。この後、颯爽と帰ってゆく作者の後ろ姿まで想像できるようです。

見上ぐれば金木犀でありにけり 麻美
シンプルに書かれているようで、とても丁寧に構成された一句。金木犀は言うまでもなく、その甘い香りに特徴がありますが、作者は金木犀の存在に気付かずに恐らくは歩いていて、甘い香りに気付き、見上げたのだということがわかります。案の定、頭上には金木犀。発見の「けり」を含む下五でさらにその存在を強調しています。季語「金木犀」の本意を、巧みに何重にも強調したこの句を読むと、否応なく金木犀の甘い香りを追体験できます。

虫の音のありさうでなきリズムかな 林檎
虫の音はオノマトペで表現すると、一定の規則、リズムがあるように思えますが、実際によく聴くと、不規則で、気まぐれで、独創的です。そのことを句材としてとらえる視点の独創性と観察眼の鋭さ、平易な表現でユーモラスに表現する技巧が合わさって、唯一無二の味わいが生まれていると感じました。最後の詠嘆もとても効果的に機能しており、虫の音の余韻がいつまでも続くようです。





インターネット句会 | 20:00:10 | トラックバック(0) | コメント(3)
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