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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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第41回インターネット句会特選句について
今回は、島野紀子さんが特選句の鑑賞を書いてくださいました。

三軒を巡りいつもの日記買ふ  林檎
一人一冊の日記、一年間ずっとそばに置く物だからこだわって選びたい。気分転換して違うのにしようと思ったり、やっぱりいつものが良いかな?と、とにかく迷う。掲句、わずか十七音に心の起承転結が見えて面白い。作者はいつもと違う日記買うつもりで家を出る。手にとってあれやこれや選ぶ。色々見たけど三軒目いつもの日記に出会い、やっぱりこれかな?と納得し、また新たな一年をこの日記ともに過ごそうと、まっさらなページの胸弾んだことでしょう。日記買ふは冬の季語だが、手帳買ふは季語ではない。季語への昇格もありそうだ。

この庭に祖父の面影枇杷の花   栄子
枇杷の花は静かに楚々と咲く、茶色柔毛まとい寒さに負けない潔さも持つ花。祖母でなく祖父が似合う。
祖父に遊んでもらった記憶、庭の手入れをしていた祖父後ろ姿、枇杷の花にお祖父様と日常の思い出溢れる作者の思いを垣間見た。

足組んで派手な靴下十二月   麗加
クリスマスを思わせる靴下柄か、はたまた冒険柄の靴下か、足を組んだからチラリと見つけてしまった意外性。そういう人に言えない、見ちゃった!!を書くのが俳句の楽しみでもある。十二月という季語が効いている。

美術館経由甘味屋文化の日  志奈
文化の日だから美術館で過ごした。いっぱいの感動と心に湧き上がるものを得た。まだ時間はあるし静かな甘味屋に行って鑑賞を分かち合おうよ。心もお腹も満たされた大人の休日をお福分けただきました。

冬の日や土手をころころ女の子  栄子
冬の日が効いている。通りすがりの女の子が土手を転がり枯草まみれになっていることでしょう。笑い声も聞こえてきそう。子供らしさ、風の子らしさがよく出ていて景が浮ぶ句。


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インターネット句会 | 22:50:59 | トラックバック(0) | コメント(0)
第41回インターネット句会(2017年12月)
インターネット句会のご報告です。
今年の納め句座となった今回の参加は15名、投句は129句でした。

井出野浩貴選
特選句

三軒を巡りいつもの日記買ふ       林檎
この庭に祖父の面影枇杷の花       栄子
足組んで派手な靴下十二月        麗加
美術館経由甘味屋文化の日        志奈
冬の日や土手をころころ女の子      栄子

入選句
初霜や子を負ふ夫を送り出し       味千代

冬の朝は、働く夫婦にとっては、暗く寒いうちから家事に仕事に動き出し、忙しい。夫婦で協力し合い、保育園に子を送り出しする今朝の夫を詠んだ句か。(礼美)
猫去つて毛布に残る窪みかな       ゆかり
マスクして語気の鋭さ衰へず       林檎
銀杏落葉渡り廊下に踊り場に       栄子 
寒禽のひと鳴きしては飛び立てり     真理子
吸ひ終はり顎のマスクをちょんと上ぐ   麻美     
寒風や双子は固く手をつなぎ       麗加 
 
普通の兄弟姉妹よりも強い絆を持つであろう双子。寒風の吹く今日は一層寄り添って身体も心も温め合うのでしょう。(香奈子)
寒鰤の並ぶ競り場よ五百本        ゆかり
冬田道忘れ物よと声響き        礼美   
人前に出るのは苦手石蕗の花       真理子
落葉踏むリュックサックを弾ませて    林檎
話し声少し大きく冬田道         礼美

冬になると、体に力が入って声が大きくなるということがある。あるいは冬田道の開放感から、話し声が自然に大きくなったという気持ちの良い経験かもしれない。私は、作者が会話から少し離れた所にいて、今日は話し声がよく聞こえるという気づきを句にしたのではないかと思った。遮るもののない冬田は、他愛ない会話さえも露わにしてしまうのだと思うと面白い。(栄子)
溶くるまで石に噛み付く霜柱       紅歳
冬ぬくし鈴カステラを二つ三つ      ゆかり

鈴カステラが大好きなんです。「冬ぬくし」になんだかほのかに甘い味を感じました。(味千代)
雪眩し吾子の瞳のうす茶色        麗加
煙草吸ふために枯芝横切りぬ       麻美   
水音や綿虫湧き出づるごとく       林檎
年の市人の波には逆らはず        ひより  
用二つ済ましたる間に煮凝れり      紀子
昃りて水底あらは冬の水         真理子

日陰の暗さを得て初めて気づいた水底の姿。これは体験がないと詠めない句なのではないだろうか。冬の水といえば「冬の水一枝の影も欺かず」がどうしても思い出され、ついつい水面にばかり注目してしまうが、作者はその奥にあるものを発見した。日陰によってあらはになるという構造が面白い。(林檎)

互選で人気のあった句です。
焼藷やこの世は天下泰平と       味千代
冬日さす美術教諭のエプロンに      栄子

来年の初句会は2月5日締切です。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

インターネット句会 | 23:33:50 | トラックバック(0) | コメント(0)
第40回インターネット句会特選句について
10月のインターネット句会の特選句について、布川礼美さんが鑑賞を書いてくださいました。

爽やかや海へと続く坂翔けて    味千代
秋は気清く、明るく快適だ。
空気が乾燥して、清澄である爽やかで広々とした海辺の景、
青空を半分、海を半分、真っ直ぐスカッと下る坂道を想像した。

秋蝶も去りがたきかな子規の庭    真理子
子規の庭を秋蝶が様々な草や花に止まり、細々といつまでも楽しそうに飛んでいる。
秋蝶も の 「も」がポイントで、そんな楽しそうな秋蝶の姿に、いつまでも俳句と戯れていたい一時、
俳句を愛する作者の姿を重ねているのではないでしょうか。

こほろぎや戸口に挟む回覧板    麗加
作者が近所へ回覧板を届けに行った時を詠んだ句でしょうか。
ひっそりとチャイムを鳴らさずに?回覧板を戸口に挟んで、そっと後にする
玄関は、まだ留守か、応答がないのか、ただ暗闇の中でこおろぎの鳴き声だけが静かにりりり…りりり…と
聞こえてくる秋の静かな夜の情景が浮かんだ。

満月と差向かひたる観覧車    麗加
夜の遊園地の情景を詠んだ句でしょうか。
作者が、夜の観覧車に誰かと一緒に乗っているときの句でしょうか。
丸い観覧車と満月。夜の街の灯を背景に、ゆっくりとお互いに動くふたつの明るい丸が対照的で面白い。

火恋しコルトレーンの息遣ひ    泉
コルトレーンとは、ジャズの有名なサックスプレーヤーとのことだそう。
私は、彼のジャズの演奏を知らなかったため、恥ずかしながらyou tube で聞いた。
この句から、秋の夜の少し冷えゆく街や、ふと人のぬくもりが欲しくなった様子が浮かぶ。
私は、火恋しという季語を今回初めて知った。


インターネット句会 | 12:11:17 | トラックバック(0) | コメント(0)
第40回インターネット句会(2017年10月)
早いもので、インターネット句会も今回で40回目です。
今回の参加は16名、138句が集まりました。

井出野浩貴選
特選句

爽やかや海へと続く坂翔けて    味千代
秋蝶も去りがたきかな子規の庭   真理子 
こほろぎや戸口に挟む回覧板    麗加
満月と差向ひたる観覧車       麗加
火恋しコルトレーンの息遣ひ     泉
入選句
宣誓の声の擦れて運動会      礼美

突き抜けるような青空のもとで行われた運動会。
選手宣誓が行われるのはプログラム最初の開会式。
競技がはじまる前で、生徒も先生も観客もまだ表情が硬い。
そんな中、代表の生徒はまさに晴れ舞台に立って宣誓をはじめるのだが、
過度の緊張で最初の一声が擦れてしまった。
声が擦れたというところにリアリティがあっていいと思った。(真理子)
新涼や触れ合うて鳴る牛乳瓶    麗加   
上野にも粧ふ山のありにけり     味千代
犬連れて母を待ちをる良夜かな   麻美
木犀の真只中に佇みぬ        泉 
文机の一輪挿しの鶏頭花      真理子
老いの手の記憶鮮やか豊の秋    ゆかり        
雨音の重くなりたり颱風圏      麗加     
白壁に椅子の影おき秋灯      泉
新米や天地をかへす釜の中     栄子

炊き上げたお米を杓文字でかえしている場面を想像しました。
それを「天地」と表現しているところが大らかですし、
また穀物を育てる自然の恵みまで感じることができます。
この新米を食べてみたいものです。(明日香)
大海の光もろとも秋刀魚焼く    志奈
やうやくに日の差して来し萩の庭  林檎
ゆるゆるとセスナ旋回秋の空    あき子  
この列は何の行列秋うらら     泉

何に並んでいるのかわからないがやたら長い行列を見かけた。
そこに加わるつもりはもちろんなく、
結局何の行列なのかにもあまり興味がない様子が「秋うらら」というに託されている。
作者は一瞬だけそれを思ってすぐさま吟行にでも行ったのであろう。(林檎)
おかはりの子に新米のてんこ盛り    栄子
島の子のヒップホップに月を待つ   依子
塩・砂糖小瓶に分けて秋思かな    明日香

微かな音を立てながら、さらさら流れ落ちる塩・砂糖。
何気ない家事のひとこまにも秋に想いを馳せる繊細な感受性を感じました。(香奈子)
ピストルの音に泣き出し運動会    麗加
このような思い出を句に残せる作者の環境が本当に羨ましいです。
幼稚園時代って当時は泣きたくなるくらい大変でしたが、
ピストルに泣くなんて今だけです。
羨ましくて頂いた一句です。(紀子)
竿自慢ばかりしてをり鯊日和    志奈 
「鯊」を釣るぐらいの気軽さゆえに、
釣りをしている人も本格的に釣りをというわけではなく、
趣味程度にまずはその格好をご機嫌に楽しんでいるという感じが、
竿自慢ばかりしているという表現でよくわかる。
季題がよくきいている。(依子)
港から港へ月に導かれ       依子
ややありて母の返事や十六夜    志奈


互選で人気の句もご紹介します。
円陣を離るる右手天高し        明日香
木犀や言葉にせねば消ゆるもの   泉
爽やかやエレベーターのすぐ来たる あき子
ライターのカチャリと開く虫の闇    栄子
赤ちゃんを連れし先生運動会    礼美


次回は12月5日締切です。
今年の納め句座となりますので、みなさんの参加をお待ちしています。

インターネット句会 | 22:45:10 | トラックバック(0) | コメント(0)
第39回インターネット句会特選句について
インターネット句会の特選句について、今回は田村明日香さんが鑑賞を書いてくださいました。

緑陰に雨の匂ひの残りをり    林檎
木陰を歩いている時にふっと雨の匂いを感じたのでしょうか。
「緑陰」という光と影が交錯する場所での、瑞々しい質感が伝わってきます。
まさに一瞬の感覚を捉えた句だと思います。

水馬正面衝突することも     真理子
水馬はある向きに直線状に進みますが、この水馬は「正面衝突」してしまったとのこと。
人間や自動車であれば一大事ですが、あれほど軽そうな水馬であれば少し微笑ましく思います。
それを見ている作者のゆとりまで伝わってくるようです。

潮の香の男乗り来る冷房車    林檎
私は江ノ電のような海沿いの列車を想像しました。
海から帰る男の人たちが電車に乗り込む姿はよく見る光景です。
その姿を視覚的な情報ではなく「潮の香の」と表現したことでリアリティーが増しています。

叱りてもこの手離さず大夕焼    香奈子
母親と子どもの景でしょうか。
例え叱ったとしてもいつも子どものことを見守っている母の愛情が感じられます。
「大夕焼」という大きな季語と取り合わせたことで、どの親子にも共通する普遍性を得たように思います。

夕涼み姉のやうなる先生と    栄子
「姉のやうなる先生」という思い切った比喩が面白いと思いました。
少し厳しいけれども自分のことを思ってくれるような人なのでしょうか。
「先生」に対する信頼が心温かく感じられた一句でした。


インターネット句会 | 09:57:39 | トラックバック(0) | コメント(0)
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