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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんに引き継がれましたが、変わらず毎月第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、偶数月はインターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。

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合同句集『海へ』リレー鑑賞(30) 藤田銀子の句から
3月19日に出版した合同句集『海へ』には、36名が20句ずつ寄せていますので、
リレー形式で仲間の1句を紹介しています。
今回は藤田銀子さんの句を林奈津子さんが鑑賞しました。

小鳥来て我が屈託に踏み込まず  銀子

「小鳥来る」は鳥が飛び交う景で、いかにも秋になったなあと感じる季語である。
私たちは日々過ごしていると色々気にかかることがある。
長年生きてくればなおのこと。

小鳥が来て庭先で鳴いて戯れている。それを見ていると少し気持ちが和らいでくる。
考えすぎなくてもいいかなという気分になってくる。

「我が屈託」という固めの措辞と「小鳥来る」の取り合わせがおもしろく感じられた。(林奈津子)

次回は冨士原志奈さんの句を藤田銀子さんが鑑賞します。


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リレー鑑賞 | 20:36:57 | トラックバック(0) | コメント(0)
合同句集『海へ』リレー鑑賞(29) 林奈津子の句から
3月19日に出版した合同句集『海へ』には、36名が20句ずつ寄せていますので、
リレー形式で仲間の1句を紹介しています。
今回は林奈津子さんの句を塙千晴さんが鑑賞しました。

ふらここや我ひとりきりひとりきり  奈津子

この句を読んだとき、どこか遠くの空の中にいるような感覚になった。
無駄な言葉がすべてそぎ落とされたシンプルな十七音から広がる限りない空間。
その空の中でふらここを漕いでいる自分。
前に漕いでも後ろに漕いでも、周りにはただ空が広がるだけ。

ふらここという季語が、柔らかで、でも少し物寂しい空間を想像させる。
その中に自分自身がポツンといる。
それは言いようのない孤独感を存分に表現する。

そしてこの句の魅力は、音で聞いても文字で読んでもそのような感覚を呼び起こすことにもある。
「ぶらんこ」でも「鞦韆」でもなく「ふらここ」。
その音と「ひとりきりひとりきり」という音が響き合う。
「ひとりきり」をリフレインすることで、ふらここが揺れる様とどこまでもひとりであるという心情も感じられる。
文字で読めば、「我」という漢字が優しい平仮名に挟まれ、そのことが反って強い孤独感を訴えてくる。

作者とは数度お会いしたことがあるだけだが、物静かで、そして芯の強い女性、という印象。
この句に表現された「孤独感」も、結局は人はひとりであるという寂しさの中に、どこか、それを心地よく感じているような作者の芯の強さを感じた。(塙千晴)

次回は藤田銀子さんの句を林奈津子さんが鑑賞します。



リレー鑑賞 | 20:13:48 | トラックバック(0) | コメント(0)
合同句集『海へ』リレー鑑賞(28) 塙千晴の句から
3月19日に出版した合同句集『海へ』には、36名が20句ずつ寄せていますので、
リレー形式で仲間の1句を紹介しています。
今回は塙千晴さんの句を乗松明美さんが鑑賞しました。

戻り来て縁の途切れし賀状かな  千晴
  
元旦に年賀状が届くことを重要視する国は日本だけのようだ。
新年を迎えて節料理を囲みながら、届いた年賀状を一枚一枚読むことは、何とも言えず楽しいことである。

掲句の「縁の途切れし」相手は、一年に一回、年賀状のやり取りだけの関係になってしまった方だろう。
年に一度の、まるで安否確認のような繋がり。
転勤族ならば、全国各地にそのような相手がたくさんいるかもしれない。

「お元気ですか?」「お会いしたいですね。」等々、短い一言だけで何年も続いてきた年賀状。
せっかくできたご縁だから年賀状だけでも、と毎年出してきた。
今年はその年賀状が「宛所なし」となって戻ってきてしまった。
どこに引越ししてしまったのか、いつ引越ししたのか、探しようもない。
自分から縁を切ったのではないだけに、何とも言えない寂しさを覚えてしまう。

届いた年賀状について詠んだ句は多い。
そこには、年賀状を送ってくれた相手に対する思いが溢れている。
しかし、戻ってくる年賀状や定年退職後に減っていく年賀状という寂しい現実も事実である。
めでたく明るい新年の「年賀状」という季語に真実を込めた句であるとともに、年賀状というよき風習を途切れさせたくないという作者の思いも伝わってくる句である。(乗松明美)

次回は林奈津子さんの句を塙千晴さんが鑑賞します。



リレー鑑賞 | 20:26:58 | トラックバック(0) | コメント(1)
合同句集『海へ』リレー鑑賞(27) 乗松明美の句から
3月19日に出版した合同句集『海へ』には、36名が20句ずつ寄せていますので、
リレー形式で仲間の1句を紹介しています。
今回は乗松明美さんの句を布川礼美さんが鑑賞しました。

言ひ分に一理ありけり巣立鳥  明美

この句は、まだまだ、頼りないと思っていた我が子を一人の人として認めている場面をとらえた句だろう。
親子で話し合いをする中でも、ただ言い返すのではなく、もう一人の人間としての考えがあるのだと、子の言い分に、妙に納得してしまったのだろう。いよいよ子が一人立ちしようとする巣立ちの時、心配と期待を胸に送り出したい。

巣立鳥とはまさに、雛鳥が巣から飛び立って飛び去る様子と重ねて、一人前の大人になるまでの子を見守る母親の気持ちが子の成長と共に、一句に丁寧に込められていると思う。

口答へすれど雷恐がりて
吾子の注ぎくるるビールの美味かりし
芋の皮剥く子の帰り待ちながら
子に習ふ携帯パソコン秋の夜
子離れの記事に頷きソーダ水
夫と子に嫁の加はり雪見酒

他の句を読むと、現在は、子育て卒業を祝い、ほっとした気持ちで、いるのだろうか。
しかし、そこに達するまでの今までの様々な子育て生活の過程がたった他の句の中にも詠んで伺え、面白い。
親子共に、だんだんと変化する心境や、子供の成長の様子が、子を思う明美さんの視点から、日常を何気なく詠んだ俳句の中に、飾らずに巧く溶けこんでいる。(布川礼美)

次回は塙千晴さんの句を乗松明美さんが鑑賞します。



リレー鑑賞 | 20:37:11 | トラックバック(0) | コメント(1)
合同句集『海へ』リレー鑑賞(26) 布川礼美の句から
3月19日に出版した合同句集『海へ』には、36名が20句ずつ寄せていますので、
リレー形式で仲間の1句を紹介しています。
今回は布川礼美さんの句を中川玲子さんが鑑賞しました。

宿題は早寝早起き運動会 礼美

宿題というタイトルに表されているように、宿題について詠まれた句はいくつかあるが、お子様の年齢が分かりやすく、子供らしさを詠ったこの句に特に共感が持てた。

「宿題」とあることで小学生以上、その内容は「早寝早起き」ということで、まだ、宿題が出て日も浅い学年と想像がつく。いつもは朝寝坊しがちな子供も運動会の日ばかりは自分から起きてきそうな様子がよく伝わってきた。「宿題」ということで、先生から言われたことをきちんと守らねばという子供の純粋な心をしっかり捉えた一句であると思う。

作者の20句には、お子様が乳児の頃から小学校高学年くらいまでの句が収められていてそれぞれが味わい深い。今後も、作者の俳句を通じてお子様の成長を拝見できるのを楽しみにしている。(中川玲子)

次回は乗松明美さんの句を布川礼美さんが鑑賞します。

リレー鑑賞 | 20:15:51 | トラックバック(0) | コメント(0)
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