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パラソル句会

Author:パラソル句会
パラソル句会は、50歳までを対象とした若い世代の句会です。指導は西村和子先生から井出野浩貴さんへ引き継がれ、2021年1月から松枝真理子さんへ引き継がれますが、変わらず毎月(原則)第2土曜日の午後に池袋近辺の会場で句会をしています。また、毎月インターネット句会を楽しんでいます。お気軽にお問合せください。
合同句集『海へ』刊行 Amazonでお求めいただけます。

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第77回インターネット句会特選句・入選句を読む
2022年6月のパラソル・インターネット句会の特選句・入選句から5句、飯干ゆかりさんが鑑賞してくださいました。

十薬に守られてゐる校舎かな 礼美
どくだみにはあの匂いと白い花弁のような十字型、民間薬の原料としてのイメージがあります。
ところが、この句の「守られてゐる」という表現からイメージを超えた気づきを得ました。
校舎で学ぶ子供たちへの愛情も伝わってきます。

汗ばみて僅かに重き赤子かな 睡
24時間ずっと赤ちゃんの世話。例えば母乳の飲み具合や体重の増減に一喜一憂。
育児は単調な日々の繰り返しですが、この句は赤子の汗に「僅かに」重さを感じる日常の切り取りが見事です。
赤ちゃんの生命力と、親としての作者の思いが込められています。

我が町に時計台欲し大夕焼 優美子
私が住む町にも日本海が一望できる時計台があります。
大夕焼を前に時計台があればいいなあ、いや「欲し」の表現から時計台につながる過去の実体験も思い浮かびます。
そして今の暮らしも大事にしている作者。夕焼と時計台、スケールの大きな一句です。

白日傘使はぬままに色褪せて 栄子
色の褪せた白日傘に何とも言えない思いが伝わります。
使わない理由、外出しなくなった理由があるのでしょう。
私は実家にある母の日傘を思い出しました。

本当は控へ目泰山木の花 千晴
泰山木はときに20メートルもの高さになり、白色の大輪が上向きに咲くとか。
もしかして、人が気づかないところで咲いているのかもしれません。
「本当は控へ目」の措辞が巧みだと思いました。




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インターネット句会 | 08:14:55 | トラックバック(0) | コメント(0)
句会(2022年6月)
瞬く間に梅雨明けとなった地域もあり、
早くも夏本番の暑さとなりました。
6月の句会の報告です。
欠席投句での参加が多数でした。

参加者の一句(含欠席投句)
子と写真久しく撮らず桜の実  真理子
炎天やエレキギターの鳴り渡る  玲子
梅雨冷や薄ら笑ひの女神像  佳世子
夏雲や大きく足を蹴り上げて  あき子
クレープを分け合つてゐる夏木立  航平
シーソーに足の浮きゆく薄暑かな  実可子
喧嘩せしまま送り出し梅雨寒や  礼美
紫陽花やコミュニティバス窓全開  千晴
紫陽花のまづ空色に染まりゆく  優美子


次回は7月9日(土) 13:30~ エポック10研修室1 の予定です。
皆さまのご参加をお待ちしております。

句会 | 16:03:08 | トラックバック(0) | コメント(0)
第77回インターネット句会(2022年6月)
2022年6月パラソル・インターネット句会の結果です。今月の参加者は16名80句です。

松枝真理子選
特選句

十薬に守られてゐる校舎かな 礼美
汗ばみて僅かに重き赤子かな 睡
我が町に時計台欲し大夕焼 優美子

入選句
笑ひ合ひ泥を付け合ひ田植かな 栄子

食ひ初めの子の神妙に青楓 睡
梅雨寒や背にすがりくる兄弟 哲二
初夏の風は髪の毛揺らすほど 味千代
諭しつつ子に差し掛くる日傘かな 栄子

母親の優しい眼差しや言葉が目に浮かびます(百花)
四阿に開く宿題夏うぐひす 栄子
白日傘使はぬままに色褪せて 栄子

美しい白日傘がなぜ長い年月使われなかったのか。何やら深い訳のありそうな・・・。物語性のある句ですね。(香奈子)
石舞台の熱奪ひゆく夕立かな 栄利子
少年の左利きなり青林檎 ゆかり

君は左利きなんだね・・・と、少年にふっと眼を奪われた瞬間。青林檎という季題が、その少年には、まだまだ明かされていない面があることを感じさせる・・・。(依子)
本当は控へ目泰山木の花 千晴
さらさらと風に任せて植田かな あき子
虹立ちて理科の先生饒舌に 麻美

いつもは口下手な理科の先生が虹については得意そうに嬉しそうに語っている。ほほえましいです。(千晴)
小満や丸めし襁褓手に熱く 航平
なかなか難しい季語に挑戦していらっしゃると思います。頭が下がります。中七以下は実感あります。(哲二)
夏雲やシュートを弾く膝小僧 香奈子
ゴールキーパーですね。膝小僧で弾いたということなので、もしかしたら不意に当たって期せずして防げたのかな?という感じもしました。夏雲の取り合わせも爽やかでいいですね。(実可子)
階に溢るるやうに金糸梅 あき子


互選で人気のあった句です。

窓開くることも子守よ青葉風 睡

気持ちの良い風が通ると、子はすやすやと眠ってくれたのを覚えています。子の成長を願う気持ちも青葉風という季題に託されていると思いました。(栄子)
お母さまか、それか孫の世話をされているおばあちゃまを詠まれたのでしょうか。子どもがぐずったときは外の風にあてるといいですよね。窓を開けることも子守、納得の措辞でした。堂々とした子育てっぷり、頼もしさが伝わってきました。(実可子)
夏の海バターの匂ふ学生寮 香奈子
海浜学校の宿泊施設でしょうか? 夕飯の支度でしょうね。夏らしい暑さの中で、バターを炒める匂いが食堂の厨房から漂っています。(麻美)


次回のパラソルインターネット句会の締切は7月5日です。
よろしくお願いいたします。




インターネット句会 | 07:27:26 | トラックバック(0) | コメント(0)
締切は5日です
第77回パラソル・インターネット句会をオープンしています。
締切は6月5日です。
皆さまのご参加をお待ちしております。



インターネット句会 | 20:29:02 | トラックバック(0) | コメント(0)
第76回インターネット句会特選句・入選句を読む
2022年5月のパラソル・インターネット句会の特選句・入選句から5句、稲畑航平さんが鑑賞してくださいました。

芸術館完成間近緑さす 実可子
漢字ばかりのゴツゴツした措辞の、なんと情報豊かことか。建築の最終段階でほぼ姿が整い、芸術館らしい一風変わった屋根やエントランスが見えてきているのでしょう。その周りには、建築資材やトラックがゴツゴツと動き回ります。そして、なんと言っても「緑さす」との取り合わせが秀逸です。待ち望んだ芸術館が出来上がる高揚感、期待感とよく響き合っています。作者は今雪国にいらっしゃるので、きっと、長い冬を越えて、夏に合わせてオープンされる解放感と歓びも加わっているのでしょう。漢字が続いたあとでの柔らかい季語「緑さす」が、その歓びを語っているようです。

春深しだし巻き玉子ふんはりと 優美子
この句のよろしさは、季語の斡旋にあると思いました。「行く春」や「春闌く」、「春惜しむ」のような近いニュアンスを持った季語ではなく、「春深し」であることが、この一見なんでもないことのように思える措辞に、感慨を与えています。出汁巻き玉子をふんわりさせるのは意外と難しく、出汁の分量や火加減、焼き方に慣れと工夫が必要です。この句の作者(作中主体)は、春になりお弁当や朝ごはんに、毎日のように出汁巻き玉子を作りはじめたのではないでしょうか。ああ、春の新しい習慣が、ようやく身に付きつつある。この感慨が、慌ただしい春がようやく過ぎて、力強い夏の予感を感じる季語「春深し」によって、実に雄弁に語られています。

若葉雨赤子の瞼透き通る 睡
繊細で美しい措辞の素晴らしさはもちろんですが、この句も季語の斡旋によって、豊かなイメージを紡ぎ出しています。「若」の字のイメージが赤ちゃんと響き合うのは当然として、この句の出色な点は若葉”雨”としたところです。「若葉風」、「若葉冷」など、若葉に関する季語はたくさんありますが、雨は、涙を流すことが唯一のコミュニケーションの手段である赤ちゃんの水のイメージを引き出します。また、若葉の頃の雨は、その後の夏の生命力の土台となりますが、辛い子育て期の親の感覚も感じます。

おろすほど香り立ちたる山葵かな 哲二
考えてみれば山葵とは不思議な植物で、その実の味や食感を楽しむのではなく、その香り(風味)を目的として、必ず擦りおろされて食されます。おろせばおろすほど、当然ながら香りそのものとなっていく山葵の本質を、この句は淡々と無欲に叙述しています。詠嘆「かな」も非常に良く効いていると思います。

初夏の鎖骨見せたる女かな 章子
夏になって薄着になっていくにつれて、鎖骨も見えてくるのでしょうが、この句の面白い点は、「女」という突き放した表現と、それに付く詠嘆「かな」です。きっと作者は、鎖骨をあからさまに見せている「女」に、苦々しい思いを抱いているのだろうと想像されます。「夏だからって、まだそこまで暑くもないのに。あんなに鎖骨まで見せて。」という心の声が聞こえてくるようで、17音の可能性を感じました。



インターネット句会 | 19:16:12 | トラックバック(0) | コメント(0)
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